日本歴史地名大系 「高鼻郷」の解説 高鼻郷たかはなごう 埼玉県:大宮市高鼻郷高とも書く。現浦和市から大宮市にまたがる地域に比定される。「吾妻鏡」文治五年(一一八九)七月一九日条によると、奥州平泉の藤原氏討伐に向かう軍勢のなかに「高鼻和太郎」の名がみえ高鼻氏の初見史料とされるが、「高鼻和」を庁鼻和(こばなわ)(現深谷市)に比定する説もある。また現浦和市本太(もとぶと)の氷川神社に伝存する宮殿の屋根裏には宝徳三年(一四五一)九月二四日の墨書銘が残され、そこには「大檀那高左衛門盛影」「地頭たかはな殿」などとある。高鼻氏は当郷を名字の地とする在地領主で、当郷の地頭ではなかったかと思われる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報