鳥のまさに死なんとする、その鳴くや哀し(読み)とりのまさにしなんとする、そのなくやかなし

故事成語を知る辞典 の解説

鳥のまさに死なんとする、その鳴くや哀し

死を覚悟した人の言うことは、真実がこもっていて聞く者の心を打つ、ということ。

[使用例] 鳥のまさに死なんとするやその声悲し。人のまさに死なんとするやその言うところ善しとかや――おい丹下、貴様ほんとにうちいを望んでおるのか[林不忘丹下左膳 乾雲坤竜の巻|1927]

[由来] 「論語泰伯」に出て来る、孔子弟子そうのことばから。死の床にあった曾子は、見舞いに来てくれたある貴族に向かって、「鳥のまさに死なんとする、の鳴くや哀し。人の将に死なんとする、其の言うや善し(死にそうな鳥は、悲しい声で鳴くもの。死にそうな人間は、よいことを言うものです)」と述べて、心をこめた忠告を遺したのでした。

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