鷺ノ湯病院跡横穴墓(読み)さぎのゆびよういんあとよこあなぼ

日本歴史地名大系 「鷺ノ湯病院跡横穴墓」の解説

鷺ノ湯病院跡横穴墓
さぎのゆびよういんあとよこあなぼ

[現在地名]安来市植田町

飯梨いいなし川が安来平野に流入する地点の左岸側丘陵上部にあった横穴墓。第二次世界大戦前に病院敷地拡張工事の際に消滅。石棺遺物はこのときに発見された。出土土器から六世紀後葉の築造と考えられる横穴墓の型式や規模は不明であるが、右壁沿いに家形石棺が置かれ人物遺体が二体あったと伝えられる。石棺は組合せ式の家形石棺であるが横口式でない。横口式でない家形石棺は出雲では珍しい。副葬品は横穴墓としては質・量ともに非常に豊富で、金銅製冠立飾・単竜環頭大刀・金銅装円頭大刀・珠文鏡・銀装大刀・直弧文鹿角製刀子、馬具(轡・長磯金具・雲珠・辻金具)、琥珀製棗玉・金銅製空玉・針金繋金銅製空玉、金銀二連の耳環などが出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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