麒麟文(読み)きりんもん(英語表記)qi-lin-wen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「麒麟文」の意味・わかりやすい解説

麒麟文
きりんもん
qi-lin-wen

中国の装飾文様一種麒麟は中国の伝説で聖王の治世のみに出現するという想像上の瑞獣。その形態は『京房易伝』によれば,「しかのからだに牛の尾と馬の蹄をそなえ,背は五彩で,腹は黄色,角があって背丈が1丈2尺余もある」という。中国,漢代以降は神秘的,空想的要素が濃くなる。竜,亀,鳳凰とともに四霊とされる。中国の絵画,装飾文様に用いられ,また日本にも伝来し,正倉院の『沈香木画水精箱』,鏡,牙尺などの文様としても用いられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android