麒麟(読み)きりん

日本大百科全書(ニッポニカ)「麒麟」の解説

麒麟
きりん

中国古代の想像上の動物。単にともよぶ。またとくにを麒、を麟というともいわれ、鳳凰(ほうおう)、(かめ)とともに四霊獣の一つとされた。初めは鹿(しか)に似た一角獣であったが、しだいに神秘的な要素を加えて複雑怪奇な姿になった。牛の尾、馬の蹄(ひづめ)、五色で彩られた体をもつ麒麟は、翼を広げてよく飛び、武器であるその角(つの)は先端が肉で覆われているため、相手を傷つけることがないとされた。そのため「麟は仁獣(じんじゅう)なり、王者あれば則(すなわ)ち至る」といわれ、聖天子の治世に限って出現する瑞獣(ずいじゅう)とされた。この麒麟像の形成には、西方世界からの影響があったとされるが、普通キリンとよばれているアフリカ生息のジラフとは、直接の関係はない。

[伊藤清司]

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デジタル大辞泉「麒麟」の解説

き‐りん【××麟】

偶蹄ぐうてい目キリン科の哺乳類。首と脚が長く、頭頂までの高さは6メートルに達し、アカシアなど高木の葉を食べる。舌が長く、雌雄とも角をもつ。体表は黄白色の地に栗色・砂色などの斑があり、網目模様に見える。アミメキリン・マサイキリンなどの亜種があり、アフリカに分布。ジラフ。中国名、長頸鹿。
中国の想像上の動物。聖人が出現する前兆として現れるといわれた。体形は鹿、ひづめは馬、尾は牛に似て、頭に1本の角があり、全身から5色の光を放つという。一説に、麒は雄、麟は雌という。一角獣。
才能の傑出した人。麒麟児
[類語]

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション「麒麟」の解説

きりん【麒麟】

新潟の日本酒。酒名は、地元の史跡「麒麟城」に由来。原料米を35%まで磨き上げ、低温長期発酵して醸す「大吟醸」は平成10~12、14、15、23年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。ほかに純米酒本醸造酒、普通酒などがある。原料米は山田錦、五百万石など。仕込み水は常浪川水系の伏流水蔵元の「下越酒造」は明治13年(1880)創業当主は国税局酒類鑑定官を務めた醸造の専門家。所在地は東蒲原郡阿賀町津川。

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百科事典マイペディア「麒麟」の解説

麒麟【きりん】

中国の想像上の動物。西洋ユニコーンに対応する。鳳凰(ほうおう),亀,竜と並ぶ四霊の一。鹿に似て牛尾,一角。一説に雄を麒,雌を麟という。仁獣かつ瑞獣(ずいじゅう)で,聖王の代に出現するとされ,その死体を見て孔子は〈我が道窮(きわ)まれり〉と泣いた(《春秋公羊伝》)。

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世界大百科事典 第2版「麒麟」の解説

きりん【麒麟 qí lín】

中国古代の想像上の動物。その形態は時代によって異なるが,全体のイメージとしては,体が鹿に似て頭に角があるという点でほぼ一貫している。一説に(おす)麒をといい,牝(めす)を麟というが,牝には角がない。ゆえに牡のもつ一角は,ヨーロッパユニコーンにおけるそれと同様,天にむかってそそりたつ陽根シンボルであったと思われる。しかし,儒家思想の台頭とともに,麒麟は仁徳ある王者や聖人が出現したときだけ人の目に触れるという伝説が形成されるようになった。

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世界大百科事典内の麒麟の言及

【石人石獣】より

…神道碑,華表ともいう)を立てたようである。石獣は虎,獅子,麒麟,羊,象などの形をとり,それらは一般に邪悪を避ける想像上の動物として辟邪とよばれている。つまり,悪霊が墓に入るのを防止する役割を担っているのである。…

※「麒麟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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