麩焼(読み)ふのやき

精選版 日本国語大辞典 「麩焼」の意味・読み・例文・類語

ふ‐の‐やき【麩焼】

〘名〙 小麦粉を水でとき、熱した鍋(なべ)の上に薄くのばして焼き、片面に味噌(みそ)をぬり、巻いて食べるもの。のち、砂糖甘味をつけるようになった。〔日葡辞書(1603‐04)〕
評判記色道大鏡(1678)四「傾城はきゃしゃなるものに思はれんとて、しんこ白糸、〈略〉麩焼(フノヤキ)あさがほ〈略〉などいはん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の麩焼の言及

【和菓子】より


[和菓子の確立と完成]
 現在の和菓子は茶の湯によって育てられ,洗練された面が大きい。しかし,千利休が茶会に用いた菓子を調べてみると,麩焼(ふのやき)が最も多く,栗,シイタケ,いりガヤ,昆布などがそれにつぐ。麩焼は小麦粉を水で溶いて焼き,みそを塗って巻くというもので,これは作菓子であるが,その他は《異制庭訓往来》などが茶子(ちやのこ)と呼んで点心と区別している類のものであった。…

※「麩焼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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