黄島村(読み)おうしまむら

日本歴史地名大系 「黄島村」の解説

黄島村
おうしまむら

[現在地名]福江市黄島町

大浜おおはま村・崎山さきやま村の南東方に位置する黄島を村域とする。東部にばん岳、北東入江がある。北東にあか島などが浮ぶ。「海東諸国紀」に「五島悼大島」とあるのは板部いたべ島および大島(黄島)である可能性がある。江戸時代は福江藩領大浜掛に属する。万治二年(一六五九)惣高積之帳に黄島とみえ、オウの訓が付され、正保国絵図の高七五石余、今高は福江藩重臣大浜主水の知行高のうちに記される。万治年間とされる五島一円惣高帳では大浜主水の知行分一千四五二石余のうち黄島村内に二七三石余がある。明暦元年(一六五五)の新田改高八〇石余(天保五年福江領高辻郷村帳)。寛文四年(一六六四)の福江領高辻帳では高七五石余。安永五年(一七七六)の大浜掛黄島村人付帳(五島観光歴史資料館蔵)では家数七五・人数四八五、牛五六、船三(うち三枚帆一)で、知行二石余の小浜恵左衛門は船見・戸主役を勤めるとあるほか、遠見番として前田・佐々野・阿野の三氏が記される。文政四年(一八二一)の上下五島郷侍帳(泊家文書)では郷侍数五軒。

寛永一四年(一六三七)黄島遠見番所が置かれ(同一八年とも)、異国船の通航を監視させた。寛文四年異国船が近づいてきた際は浦々に連絡し、錨を下ろした場合は番船を役人方に注進すること、沖合で異国船に近づく日本船がある場合は行方を見届けて諸所の役人に届けることなどの諸条が通達された(「黄島遠見番へ御仰付候書付」五島秘史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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