六訂版 家庭医学大全科 「黒色表皮腫」の解説
黒色表皮腫
こくしょくひょうひしゅ
Acanthosis nigricans
(皮膚の病気)
どんな病気か
皮膚が黒く、ごわごわしてくる
原因は何か
良性型は内分泌障害・先天異常、悪性型は内臓の悪性腫瘍、仮性型は肥満に伴って生じます。高齢者では悪性型が多くみられます。
良性型や仮性型は、インスリン抵抗性が基礎にあるために生じると考えられています。インスリン抵抗性とは、血糖値に比べて、血中のインスリンというホルモンが不適当に高い状態です。
このような状態では、血中インスリンが、皮膚の細胞のインスリン
症状の現れ方
乳房下部、
全身の皮膚に、びまん性に褐色~黒褐色の色素沈着がみられることもあります。毛髪が薄くなったり、毛が抜けやすくなることもあります。
悪性型黒色表皮腫に合併する悪性腫瘍の大部分は
高齢者にこの病気が生じた場合には、悪性腫瘍の有無を検索する必要があります。
検査と診断
病理組織学的検査(皮膚を採取して顕微鏡で観察する検査)と血液学的検査を行います。血液学的検査では空腹時血糖、血中インスリン濃度を測定したり、
高齢者の場合は悪性腫瘍の有無を検索します。
治療の方法
①5%サリチル酸ワセリンを1日2~3回患部に塗ります。
②ビタミンA軟膏を1日数回患部に塗ります。
③
病気に気づいたらどうする
まず、皮膚科専門医を受診して正しい診断をしてもらいます。必要があれば皮膚科専門医から糖尿病専門医を紹介してもらい、インスリン抵抗性の治療を受けるとよいでしょう。
関連項目
米田 耕造
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報