黒闇・黒暗(読み)こくあん

精選版 日本国語大辞典 「黒闇・黒暗」の意味・読み・例文・類語

こく‐あん【黒闇・黒暗】

[1] 〘名〙
① まっくらなこと。くらやみ。暗黒。転じて、仏教智慧功徳のないこと。また、三悪道などにもたとえる。
※栄花(1028‐92頃)御裳着「下は黒闇の衆生も皆照さるらんかしとぞ見ゆめる」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五「愚人は黒暗の中に行歩すと云へり」 〔浄住子‐在家懐善門〕
② 色が黒いこと。真黒。
随筆戴恩記(1644頃)下「黒闇のわん折敷用る事、いまいましくおぼえ侍り」
[2]
万葉(8C後)五・七九四・右詩序文「三千世界誰能逃黒闇之捜来」 〔北本涅槃経‐一二〕
[二] 十四羅刹女の一人。〔孔雀王呪経〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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