鼬の最後屁(読み)いたちのさいごっぺ

精選版 日本国語大辞典 「鼬の最後屁」の意味・読み・例文・類語

いたち【鼬】 の=最後屁(さいごっぺ・さいごぺ)[=最後(さいご)の屁(へ)

鼬が敵に追われた時、悪臭を放って難をのがれること。転じて、せっぱ詰まった時、非常手段を用いること。また、最後醜態を演じること。
※俳諧・類船集(1676)以「鼬(いたち)。〈略〉鼬の最後の屁(へ)とて一命あやうき時ひる事有」

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ことわざを知る辞典 「鼬の最後屁」の解説

鼬の最後屁

イタチが敵に追われた時、難を逃れようとして放つ悪臭。転じて、進退窮まった時にとる好ましくない非常手段や最後に演じる醜態のたとえ。

[使用例] 全体道徳なんてものは意気地無し社会よのなかに生存出来ない奴が自分を保護する武器に作ったものだ。まあ例えたら、鼬の最後屁のようなものだ[内田魯庵*社会百面相|1902]

[解説] イタチは、敵に追われた時、最後の武器として肛門の脇にある一対の腺から揮発しやすい液体を出し、その悪臭によって難を逃れます。イタチに出会うことやその一声鳴きを不吉とする俗信も広く行われ、ただでさえ好ましくないものでした。その好ましくないものが、放屁まがいの好ましくない手段を用いるということで、さげすみのニュアンスを含む表現となっています。

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