龍山村(読み)たつやまむら

日本歴史地名大系 「龍山村」の解説

龍山村
たつやまむら

面積:七〇・二三平方キロ

磐田郡北半部の南端にあり、東は周智しゆうち春野はるの町、北・西は佐久間さくま町、南は天竜市。北から西にかけては橿かし(一〇五八・八メートル)白倉しらくら(一〇二七・一メートル)など赤石山脈の山々に限られ、南東に秋葉山がある。ほぼ中央を天竜川が南へ流れ、秋葉ダム下流で東に大きく蛇行して天竜市に入る。集落はおもに同川沿いと支流西遊里さゆり(白倉川)沿いにある。村域で原始・古代の遺跡は確認されていない。南西の大嶺おおみねは「和名抄」記載の山香やまか大峯おおみね郷の遺称地とされる。平安末期に成立した京都長講堂領山香庄の庄域に含まれたとみられ、室町中期には大峰おおみね平山ひらやま(一部は現佐久間町)の地頭職は天野氏に安堵され、瀬尻せじりなどは兵粮料所として同氏に預けられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報