改訂新版 世界大百科事典 「マケール」の意味・わかりやすい解説
マケール
Pierre Joseph Macquer
生没年:1718-84
フランスの化学者。初めは医者であったが,1745年アカデミー・デ・シアンスの化学の会員に選ばれた。50年から染色などの工芸技術の監査のしごとに携わるようになり,《絹染色技術》(1763)を出版し,次いでゴブランの染色工場の主監となった。59年からはセーブルの王立製陶工場の研究主任を務め,リモージュ近辺での陶土の存在を確認し(1768),以後セーブルでも優秀な陶磁器が作れるようになった。71年,ダイヤモンドの燃焼実験を行ったほか,大きな凸レンズを用いての太陽光線による燃焼実験にも加わった。彼の《化学辞典》(初版1766,第2版1778)は化学の辞典としては,歴史上最初のものである。
執筆者:吉田 晃
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報