日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルイ(7世)」の意味・わかりやすい解説
ルイ(7世)
るい
Louis Ⅶ
(1121ころ―1180)
カペー朝第6代のフランス王(在位1137~80)。父王ルイ6世の政策を継ぎ、イル・ド・フランスの聖俗諸侯権力の除去あるいは服属に努め、カペー直轄領の強化を図った。ユリの花をフランス王家の紋章に定めた。信心深いキリスト教徒として、神聖ローマ皇帝コンラート3世とともに第二次十字軍(1147~49)に参加したが、1148年、ダマスカスを目前に撤退。政治的力量には欠け、国王顧問のシュジェールSuger(1081ころ―1151。サン・ドニ修道院長)の死去後、アキテーヌ公領の相続者たる妃アリエノールを離婚(1154)、これがやがてフランス王権に重大な危機をもたらすことになる。それは、アリエノールがノルマンディー公領の継承者でもあるアンジュー伯アンリ(後のイギリス王ヘンリー2世)と再婚したため、ノルマンディー、アンジュー、アキテーヌにまたがる広大な領域がイギリス王の手に帰したからである。
[井上泰男]