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アンジュー Anjou

翻訳|Anjou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アンジュー
Anjou

フランス西部の地方。旧州。中心都市はアンジェメーヌエロアール県の大部分,およびアンドルエロアール県,マイエンヌ県,サルト県の各一部が含まれる。パリ盆地とアルモリカ地塊にはさまれ,ロアール川 Loireとその3つの支流 (マイエンヌ,サルト,ロアール川 Loir) が流れる肥沃な河川流域地帯で,温和な気候と相まって,果物,野菜,苗木などを産出し,特に白ワインは名高い。鉄鉱石,スレート片岩の採掘でも有名。この豊かな農業地帯は9世紀末以来アンジュー家の領有となり,1203年国王フィリップ2世によって王領に併合され,以来アパナージュ (国王親族封) としてカペー王家一族に授封されたが,1481年ルイ 11世のときに国王直轄領となった。ユグノー戦争 (1562~98) 中は最も被害の大きかった地域。フロンドの乱の際には J.マザランに対し反乱を起した地方であり (1652) ,フランス革命では反革命のバンデーの反乱を起し,J.クレーベル将軍に鎮圧された (1793) 。

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百科事典マイペディアの解説

アンジュー

フランス西部,ロアール川下流,マイエンヌ,サルト川の合流点を中心とする地方。旧州名。気候温和な農業地帯。ブドウ栽培地で,アンジューのロゼワインは有名。少量の鉄,スレートが採掘される。
→関連項目アンジュー[家]

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世界大百科事典 第2版の解説

アンジュー【Anjou】

フランス西部の旧州名。中心都市はアンジェAngers。東はトゥーレーヌ,西はブルターニュ,南はポアトゥー,北はメーヌと,四つの旧州に隣接。現在のメーヌ・エ・ロアール県を中心に,アンドル・エ・ロアール,サルト,マイエンヌの3県の一部を含む地域で,面積約8900km2。ロアール川およびその支流のメーヌ川,サルト川,ル・ロアール川流域に位置し,サケやアローズ(ニシン科)の漁獲で知られるほか,温暖な気候を利用して,野菜,果物,花卉の栽培や牛を中心とした牧畜が活発である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アンジュー
あんじゅー
Anjou

フランス西部の歴史的地方、旧州名。主としてメーヌ・エ・ロアール県に相当する。旧州都のアンジェ付近でいくつもの河川が合流し、マイエンヌ川、サルト川は合流してメーヌ川になり、さらにロアール川に流れ込む。主要道路はこれらの河谷に沿っている。西部は湿潤気候を利用した牧草栽培による牧畜が盛んであり、東部はブドウをはじめ果樹、野菜、花卉(かき)栽培が卓越する。アンジェは商工業の中心地である。[高橋伸夫]

歴史

1世紀の初めごろからケルト人が植民し、ローマ帝国の支配を受けたが、フランク人によって征服された。9世紀に入ってカペー家の祖先ロベール・ル・フォールRobert le Fort(?―866)がノルマン人の侵入を撃退し、870年伯領となり、アンジェルジェが第一アンジュー家(870~1205)を創始した。この家から、イギリスのプランタジネット朝(1154~1485)が生まれ、イギリス国王がアンジュー伯領を支配した時代(1154~1203)もあったが、1203年フランス国王フィリップ2世は、封建法上の手続によって、イギリス国王ジョン(欠地王)の手から奪回することに成功した。1226年、フランス国王ルイ8世は王子シャルル(1世)にアンジューとメーヌを譲渡したが、その後、バロア家のフィリップ6世が王領地に併合(1328)、ついでジャン2世(善良王)の第2子ルイの公領となった。1482年、国王ルイ11世はふたたび王領地に併合し、その後変わるところはなかった。アンジュー公という称号は16世紀以降も血統親王に付与され、アンリ2世、ルイ14世の王子たちにその例をみることができる。[志垣嘉夫]

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