井田川(読み)いだがわ

日本歴史地名大系 「井田川」の解説

井田川
いだがわ

岐阜県吉城よしき河合かわい村の白子しろこ谷に発し、富山県へ入って大長谷おおながたに川といい、室牧むろまき谷を流れて室牧川と称し、婦負郡八尾やつお町で別荘べつしよう川・久婦須くぶす川・野積のづみ川を合せて井田川となる。県境から井田川を名乗るまでの流さ約二八キロ。その後同郡婦中ふちゆう町で山田やまだ川を合流し、富山市鵯島ひよどりじまで神通川へ入るまでの長さ約一七キロで、流路延長約四五キロ。一級河川。伝承によると、古名は咲田さきた川であったといわれる。咲田姫は、杉原彦とともに婦負野を開拓した始祖と伝える。「万葉集」の巻一七所載大伴家持が詠んだ鵜坂川を、井田川とする説もある。鵜坂川と神通川(古名婦負川か)の合流点辺りが、奈良西隆さいりゆう寺跡(現奈良市)出土の天平神護三年(七六七)銘木簡にみえる「婦負郡川合郷」に比定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android