有り有りて(読み)アリアリテ

デジタル大辞泉 「有り有りて」の意味・読み・例文・類語

ありあり‐て【有り有りて/在り在りて】

[副]
ずっとこのようにしていて。
「―のちも逢はむと思へども人の言こそ繁き君にあれ」〈・三一一三〉
結局。とどのつまり。
「―、をこがましき名をとるべきかな」〈夕顔

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「有り有りて」の意味・読み・例文・類語

ありあり‐て【有有て・在在て】

  1. 〘 副詞 〙 ( ラ変動詞「あり(有)」を重ねたものに接続助詞「て」が付いて一語化したもの )
  2. ある状態がそのまま存続するさまを表わす語。引き続きそのままでいて。このままであって。
    1. [初出の実例]「在有而(ありありて)後も逢はむと言のみを堅く言ひつつ逢ふとは無しに」(出典万葉集(8C後)一二・三一一三)
  3. 時間がたって、そのあげくには。とどのつまりに。とうとう。
    1. [初出の実例]「男の病ひしけるをとぶらはで、ありありて、やみ方に訪(と)へりければ」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑二・一一五一・詞書)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android