清郷遺跡(読み)せいごういせき

日本歴史地名大系 「清郷遺跡」の解説

清郷遺跡
せいごういせき

[現在地名]一宮市浅井町大日比野 清郷

標高一二・五メートルの扇状地末端にある古代末期の製鉄遺跡。当市および稲沢市には、鉄滓や鞴口の出土する場所が多い。とくに当市の旧地名には、金糞かなくそ鍛冶屋かじや鋳物師海道いものしかいどうなど、鉄に関係した地名があったが、こうした製鉄関係遺跡は、主として中・近世の農村集落にあった農工具生産工房と考えられる。当遺跡は古代製鉄遺跡の唯一の例で、昭和三七年(一九六二)金糞・灰釉陶器が出土したため、発掘調査が行われ、鉄滓の付着した炉跡状の鍛冶遺構が検出され、鉄素材を製品化する小鍛冶場であることが判明した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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