4サイクルエンジン(読み)ふぉーさいくるえんじん(英語表記)four stroke cycle engine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「4サイクルエンジン」の意味・わかりやすい解説

4サイクルエンジン(フォーサイクルエンジン)
ふぉーさいくるえんじん
four stroke cycle engine

往復動内燃機関の作動方式の一種で、2回転に1回燃焼させる。正しくは四行程サイクルエンジンという。ピストン上昇行程で空気または混合気を圧縮し、上昇の終わり(上死点)近くで燃焼を開始し、次の下降行程で燃焼ガスを膨張させピストンを動かす。下降の終わり(下死点)近くで排気弁を開き、次の上昇行程で燃焼ガスを排気する。上死点近くで排気弁を閉じ吸気弁を開く。次の下降行程で新しい空気または混合気を吸入する。このとき絞り弁があれば絞りの抵抗に打ち勝って吸気するためにピストンが仕事をする。この下降行程の終わりで吸気弁が閉じて始めに戻る。吸排気はかなり完全で、新しい混合気の排気への吹き抜けも少なく、熱効率も高い。また吸排気管の気柱振動の影響も2(ツー)サイクルエンジンより少ない。

[吉田正武]



4サイクルエンジン(よんサイクルエンジン)
よんさいくるえんじん

4サイクルエンジン

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の4サイクルエンジンの言及

【内燃機関】より

…すでに1838年にW.バーネットにより動力ピストンによる混合気の圧縮が提案され,また62年にはフランスのボー・ド・ロシャAlphonse Beau de Rocha(1815‐93)により4サイクル方式の理論が提唱されているが,それとは無関係にN.A.オットーは76年単動1シリンダーのガス機関をつくった。これが4サイクルエンジンの最初のもので,ガス交換用および火炎点火用すべり弁はかさ歯車を介してクランク軸の1/2の回転数で駆動された。G.ダイムラーは高速化により軽量化でき,交通機械の駆動に応用できるという点に着目し,83年に最初の高速小型4サイクルガソリンエンジンをつくり,85年に二輪車を,86年四輪車を走らせ,今日の内燃自動車の基礎を築いた。…

※「4サイクルエンジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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