デジタル大辞泉 「IoE」の意味・読み・例文・類語 アイ‐オー‐イー【IoE】[Internet of everything] 《Internet of everything》人・場所・ロジスティクス・データなどのすべてをインターネットでつなげることで実現する新たなサービスやビジネスモデル、またはそれを可能とする技術の総称。[補説]本来は、米国のシスコシステムズ社が2012年に提唱した、物のみを対象とするIoTを包括する概念であったが、その後、IoTの適用範囲が広がり、ほぼ同義となった。 アイ‐オー‐イー【IOE】[International Organization of Employers] 《International Organization of Employers》国際経営者団体連盟。1920年創立。本部はジュネーブ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
知恵蔵 「IoE」の解説 IoE インターネットで全てのものをつなぐという考え方。2017年2月現在、「IoT(Internet of Things)」という言葉が浸透してきている。このIoTは、電化製品、自動車、医療機器などの、コンピューター機器以外の「モノ」がインターネットに接続され、相互に情報をやり取りすることを意味する。つまり、IoTによって、コンピューター機器以外の様々な機器からデータを取得できるようになったのだが、IoEは、このIoTの上位概念として、「モノ」だけでなく、「ヒト」「プロセス」「データ」「場所」などを、インターネットに接続させることを前提とするため、IoTによるデータを世の中のあらゆるサービスにつなげ、より価値のある、便利なサービスを作り上げることが可能となる。 例えば医療分野において、IoTでは、血圧計や体温計から得た血圧、体温などのデータを、カルテのデータベースで管理するところまでに留まるが、IoEでは、ジェスチャー認識技術などで、血圧や体温以外の「ヒト」に関するデータを入手し、「ヒト」の活動状況等により、病気の疑いがあれば医者に知らせ、早期に適切な治療を行うことが可能となる。更にIoEでは、膨大な数の患者の臨床試験を実施して、試験結果を改善し、より効果の高い薬や治療方法を生み出すこともできる。 IoEは、12年に米国の大手IT企業シスコシステムズ(Cisco Systems)によって提唱された。同社は、14年12月、今後10年間にIoEに関連するソリューションで、19兆ドルもの経済価値を試算している。 IoEを導入している有名な都市としては、まずドイツのハンブルクが挙げられる。ハンブルクは、ドイツの輸出入を支える港湾都市でもあり、年間1万隻の船舶が出入りしているが、港湾業務に関わる人、業者、機械、サーバーなどをIoEによってつなぐことで、コンテナ、トラック、港湾ゲート、船舶などのデータを制御し、物流の効率化を実現させている。 スペインのバルセロナもIoEをいち早く取り入れた都市として有名だ。バルセロナでは、電力量の計測と通信が可能な計器「スマートメーター」を利用した水道管理や、ごみ箱の容量を検知するセンサーを活用した廃棄物回収などのIoE実装により、経費削減や市民サービスの向上に努めている。バルセロナ市役所では、公共情報を一元管理するオープンデータサービスを展開しており、市民は、自宅にいながら住民票の受け取りを始めとした行政サービスを受けることができるようになっている。 (横田一輝 ICTディレクター/2017年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by