Orthogonal Frequency Division Multiplexing(直交周波数分割多重)の略。無線通信でデータを送信する際の変調方式の1つで、信号を拡散させるのではなく、広い範囲の周波数を複数のチャネルに分割し、いっせいに信号を送るという方法を採る。たとえば、20MHzの周波数帯を10のチャネルに分割するとした場合、1つのチャネルには20MHz÷10=2MHzの周波数帯域が割り当てられることになる。しかし実際には隣接する周波数帯の信号が干渉してしまうため、きっちり2MHzずつには分割できない。そこで通常の周波数多重方式では、信号が重なり合わないように「ガードバンド(遊びの部分)」と呼ばれるすき間帯域を設けている。それに対しOFDMでは、隣り合うチャネルに信号が流れないように、オンとオフのタイミングを合わせることにした。この方法を使うと、1つのチャネルが使う周波数帯の半分が他のチャネルの周波数帯と重ねられる(直交する)ようになり、従来の2倍程度の容量の信号を送信でき、高速な通信が可能になる。