インバーターを使って交流電力の電圧、周波数などを制御する方式。インバーターとは、もともとは「直流電力を交流電力に変換する回路」をさしている。しかし、現在では、「商用電源などの交流電力から可変周波数の交流電力に変換するパワーエレクトロニクスを利用した電力変換装置」までも含めて広い範囲の装置をインバーターとよんでいる。
インバーター装置は商用の交流電力を直流に変換する整流回路と、直流電力を安定化させる平滑回路と、直流を交流に変換するインバーター回路から構成され、制御回路により運転される。インバーターの出力は交流電力である。
インバーター制御する場合、インバーターの出力する交流電力の周波数、電圧などを調節して制御される。このような場合、VVVF(variable voltage variable frequency:可変周波数可変電圧)制御とよばれることがある。これに対して、インバーターの出力を一定周波数、一定電圧に固定する場合、CVCF(constant voltage constant frequency:定電圧定周波数)制御とよばれる。インバーターで制御する対象としてもっとも多いのが電動機である。しかし、交流電力を利用する蛍光灯やUPS(uninterruptible power supply:無停電電源)、IH(induction heating:誘導加熱)ヒーターなどにもインバーターは使われている。太陽光発電のパワーコンディショナーの出力もインバーターにより制御されている。
インバーター制御することにより、商用周波数(50ヘルツまたは60ヘルツ)に制約されることなしに交流電動機に供給する周波数を調節して可変速度制御できる。また、高周波の電力を容易に得ることができる。インバーターの普及により、それまで多かった直流電動機によるワード・レオナード方式などの可変速運転は交流電動機に置き換えられるようになった。直流電動機を利用したシステムの課題であった直流電動機の電気ブラシの保守の削減ができることがその大きな理由である。
インバーターは容量や用途に応じて各種のものが開発され、各種の機器に組み込まれている。電動機駆動用として、産業用にもっとも多く使用されているのが汎用(はんよう)インバーターである。汎用インバーターは標準電動機と組み合わせて使用するように設計されている。
インバーターで交流電動機を精密に制御する場合、ベクトル制御が使われる。交流(AC)サーボの場合、サーボアンプはインバーターであり、サーボ指令に基づき、サーボモーターの回転を制御する。
インバーター制御では交流出力の周波数、電圧、電流、位相などを制御する。そのために出力するパルス幅を制御するPWM(pulse width modulation:パルス幅変調)制御を使うことが多い。インバーターは直流電源を用いて交流電力に変換する回路であるが、直流電源の性質により、電圧形インバーターと電流形インバーターに区別される。電圧形インバーターは直流電源にコンデンサーを用いて、電圧源として機能するインバーターで、多くのインバーターは電圧形インバーターである。電流形インバーターは直流電源にインダクタンスを用いて電流源として機能するインバーターで、大容量のインバーターに用いられる。電流形インバーターでは、インダクター(インダクタンスを生じるもの。おもにコイル)を用いるので小型軽量化がむずかしいため、用途が限定される。電圧形インバーターを用いても、交流電流を検出し、フィードバック制御することにより擬似電流源として機能する。
[森本雅之]
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