X線分光器(読み)エックスセンブンコウキ

化学辞典 第2版 「X線分光器」の解説

X線分光器
エックスセンブンコウキ
X-ray spectrometer

X線分光し,強度分布を測定する機器.被検X線束を面間隔既知結晶面に照射させ,ブラッグ条件を満足するようにX線検出器と結晶を連動させながら走査し,強度分布を調べる方法がおもにX線蛍光分析法などで用いられている.数 nm 以上の長波長のX線の分光には光学的回折格子が用いられる.また,X線の波長によるエネルギーの違いを利用する波高分析器が用いられることもある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のX線分光器の言及

【分光器】より


[その他の分光器]
 光のスペクトルを取得するための装置が分光器であるが,X線スペクトルやマイクロ波スペクトルなど光と呼ばれる領域以外のスペクトルを対象としたものでも分光器と呼ばれることが多い。とくにX線分光器の中でも分散型は構成素子こそ異なれ図7に示すように光の分光器とほぼ類似の構造をもつ。しかし,電子やイオンのスペクトロスコピーにおけるエネルギー分析の道具を電子分光器やイオン分光器と呼ぶには問題があり,分光器と訳すよりスペクトロメーターということばを用いるほうが好ましい。…

※「X線分光器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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