大学事典 「AIR」の解説
AIR
エーアイアール
通称エーアイアールまたはエアー。アメリカ合衆国を代表するIR(インスティチューショナル・リサーチ)の学会・専門職団体。1960年代におけるIRへの関心の高まり,IR組織の拡大を背景として,1966年にミシガン州で発足。1961年にシカゴで開催されたアメリカ高等教育協会(American Association for Higher Education: AAHE)年次大会での全国IRフォーラムが発足の契機で,初代会長は当時IR体制整備で先駆的だったミネソタ大学のIR部門ディレクターを務めたJohn E. Stecklein,J.E.。現在の本部はフロリダ州タラハシーにある。州や地域のIR協会など約50が連携する全米組織であり,欧州,オーストラリア,アジア等のIR協会も関連団体に名を連ねる。会員数4000以上,アメリカ外の会員約160を擁する世界最大級のIR協会である。
毎年5月下旬,6月上旬頃に4日間にわたり開催される年次大会(AIR Forum)には,1600以上の機関から世界各国のIR関係者が集う。高等教育の充実に向けたIRの支援,IR専門職の発展と地位向上を目的とし,オンライン会報「eAIR」の月次配信,査読付き学術誌『Research in Higher Education』(RIHE),特定のテーマを取り上げる季刊誌『New Directions for Institutional Research』(NDIR)の刊行など,高等教育やIRに関する学術情報を発信するほか,全米教育統計センターが管理する中等後教育総合データシステム(IPEDS)の実務研修,オンライン教育プログラムの提供など,IR人材の育成,キャリア形成支援に取り組む。
著者: 山田健
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報