内科学 第10版 「ANCA関連肺疾患」の解説
ANCA 関連肺疾患(膠原病にみられる肺病変)
間質性肺炎やびまん性肺胞出血の発症に関して,抗好中球細胞質抗体(ANCA)が関連する一群が存在する.顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA),Wegener肉芽腫症,アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群=allergic granulomatous angiitis:AGA*)が知られているが,MPO-ANCA(myeloperoxidase-ANCA)が陽性である間質性肺炎の存在も認識されつつある.MPO-ANCA自体が間質性肺炎の原因となっているか,経過中に感染が誘因となってANCAが惹起されたものかは,いまだ結論がでていない.*補足:2012年,血管炎の新たな病名が提唱され,Wegener肉芽腫症はgranulomatosis with polyangiitis(GPA),Churg-Strauss症候群はeosinophilic granulomatosis with polyangiitis(EGPA)へ変更された.それに対応して,厚生労働省研究班では,GPAの日本語病名を「多発血管炎性肉芽腫症」,EGPAを「好酸球性肉芽腫性多発血管炎」と提案した.[千田金吾]
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