ARE事件(読み)エーアールイーじけん

百科事典マイペディア 「ARE事件」の意味・わかりやすい解説

ARE事件【エーアールイーじけん】

三菱化成が35%出資して設立した合弁企業〈エーシアン・レア・アース〉(ARE)が1982年からマレーシアで放射性物質トリウムを生産,放射性廃棄物鉱滓(こうさい)を工場近くの空き地に野積みして,井戸水大気を汚染し,住民に深刻な健康被害が発生した公害輸出事件。1985年2月,この工場周辺の住民代表8人がイポー高等裁判所に,放射性廃棄物によって白血病などの健康被害を受けたとして,AREの操業停止と損害賠償を求めて提訴した。同じ頃,先天性障害児や白血病の子どもの出産が相次ぎ,村から離れる住民も続出した。イポー高裁は1992年7月,住民側の主張を全面的に認め,工場の操業停止と放射性廃棄物の撤去を命じた。AREはマレーシア最高裁上告,1993年12月に最高裁がARE側の主張を採用,工場周辺の放射線量は法的基準を満たしているとして高裁判決を破棄した。これを受けてAREは操業を続けたが,1994年1月,〈現地での生産が国際競争力を失った〉として,操業停止の考えを明らかにした。

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