デジタル大辞泉 「白血病」の意味・読み・例文・類語
はっけつ‐びょう〔ハクケツビヤウ〕【白血病】
[補説]略号と病名
AML(acute myelogenous leukemia)急性骨髄性白血病
ALL(acute lymphoid leukemia)急性リンパ性白血病
CML(chronic myelogenous leukemia)慢性骨髄性白血病
CLL(chronic lymphoid leukemia)慢性リンパ性白血病
翻訳|leukemia
白血球などの血液細胞ができる過程で異常が起き、がん化した細胞が無秩序に増殖する病気で、20歳未満の人がかかるがんの中では最も多い。進行の速さや、がんになる細胞の種類により、急性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病などと細かく分類されている。息切れやだるさ、発熱といった症状、健康診断の血液検査がきっかけで見つかることがある。抗がん剤や分子標的薬、骨髄移植などの治療法がある。
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認知すべき原因もなく白血球系のある細胞が無制限に増殖し,これら増殖した白血球が血液中に出現ないし増加する病気。血液の悪性腫瘍ともいうべき病気である。白血病という名称は,著しく増加した白血球のため血液が白く見えることから,R.フィルヒョーによってつけられたが(1846),つねに血液中の白血球が増加するわけでなく,正常ないし減少していることもある(非白血性白血病)。
ウイルスや放射線被曝が原因と考えられるものもあるが,大部分の例で原因は明らかでない。おそらく,白血病の誘因には,上記のほか,まだ明らかにされていない種々の環境因子などがあり,それらに患者がもともと有する遺伝的要因が複雑にからみあい,その結果白血球へ分化・増殖しつつある細胞の一つがたまたま不可逆的な変化をうけ異常な増殖をするようになると考えられている。
白血病は,異常増殖の主体となる白血球の主として形態的特徴により,種々の型に分類されている。白血球生成組織は骨髄とリンパ系があり,それぞれの組織系で生成される白血球は機能的にも形態的にも容易に区別される。白血病の白血球もそのいずれかの特徴を示すことが多いので,まず骨髄性白血病とリンパ性白血病のいずれかに大別され,そのおのおのについて,さらに細かい特徴に基づいて分類されることが多い。しかし,なかには骨髄性ともリンパ性とも断定できない白血病の白血球もある。すべての白血球が共通の母細胞(造血幹細胞)から生ずるところから,このような白血病の白血球は造血幹細胞にきわめて近いものと推定される。白血病はまた,自然経過の緩急によって,急性白血病と慢性白血病にも分けられる。急性白血病では,増加した白血病の白血球の大部分は未熟な形態を示す細胞(芽球)であり,慢性白血病では,未熟な細胞から成熟した細胞が段階的に増加していたり,成熟型がほとんどを占めていることが多い。しかし,なかには白血病の白血球と考えられる細胞のほとんどが芽球でありながら,進行の非常に遅い白血病も存在する(くすぶり型白血病)。このような白血病の多くは骨髄性である。
白血病の発症頻度は概して低い。しかし,血液および骨髄検査が普及して診断が容易になったせいか,近年徐々に増加の傾向がある。とくに急性型や60歳以上の高齢者の頻度が増加している。地域,人種によって各種白血病型に差異がみられる。たとえば,日本では欧米に比べると,急性骨髄性白血病が多く慢性リンパ性白血病が格段に少ない。また,年齢別では,3~4歳と30歳以上に二つの峰がみられる。小児では急性リンパ性白血病が,成人では骨髄性白血病が多く,慢性リンパ性白血病は老人に多くみられる。男女差はほとんどみられない。急性型と慢性型の比率は5.5対1くらいである。なお,白血病の場合の白血球と同じように,赤血球系,血小板系の血球が増加する病気があり,それぞれ赤血病,血小板血病と呼ばれる。また白血病との混合型(たとえば,赤血球と白血球がともに増えるものを赤白血病という)もある。
骨髄性とリンパ性,とくに急性と慢性によって異なる。急性骨髄性白血病では,一般に未熟で異常な白血球が骨髄で増えてくるために,ほかの正常な細胞のできる場所がだんだん狭くなり,赤血球,血小板,正常の機能を有する白血球が減少してくる。その結果,息ぎれ,動悸などの貧血の症状,また血小板減少のために鼻出血,歯肉出血,紫斑などがおこりやすくなったり,正常な白血球の減少のために肺炎などの感染症にかかりやすくなったり,発熱などの症状が現れる。急性リンパ性白血病もほぼ同様であるが,リンパ節などリンパ組織の腫大が顕著であったり,髄膜への白血病の白血球の浸潤をおこすことが多い。これらの症状は,一般に白血病の白血球の急速な増殖に比例して急に出現し非常に早く進行する。しかし,ときに,とくに老齢者で白血病細胞の増殖は緩やかで,そのため非定型的な症状と経過を示すこともある。一方,慢性白血病の発病は,非常に緩やかで症状も軽いことが多く,偶然に発見されることも少なくない。慢性骨髄性白血病は,白血球が増えて代謝が亢進するためにおこる倦怠感,微熱,疲れやすさ,脾臓が増大するための腹部膨満感などの症状で気づくことが多い。急性と異なり,血小板が減って出血しやすくなったり,貧血はあっても高度となることはない。しかし,最終的には急性転化といって,急性白血病と同じような状態に変化する。慢性リンパ性白血病では,全身のリンパ節腫張で気づかれることが多い。また,リンパ球の機能が異常を示し,たとえば自己免疫性溶血性貧血などを併発することもある。一般に慢性骨髄性白血病よりももっと慢性の経過をとることが多く,治療なしで10年というような生存期間を示すことも少なくない。
このほか,白血病の症状として,各型の白血病の白血球が有する特徴的な性状に基づく症状が現れることがある。たとえば,白血病の白血球が単球の性状を有するとき(単球性白血病)は,歯肉腫張など白血病の白血球が通常みられない組織へ浸潤することによる症状が現れるし,急性骨髄性白血病の中の急性前骨髄性白血病と呼ばれる白血病では,白血病の白血球が組織トロンボプラスチンといわれる凝固因子を多くもつことから,血管内凝固症候群を伴いやすく,それがもとで急に死亡することが少なくない。また腫瘤形成性白血病といって,体のいろいろなところに腫瘤を形成しやすい特殊な白血病もある。
急性白血病の診断は,血液や穿刺(せんし)骨髄の塗抹染色標本の形態学的観察によって比較的容易になされる。すなわち,血液中には正常に存在しない幼若な白血球系の細胞が出現ないし増加し,骨髄ではこれらの細胞の占める比率が高くなる(これを白血病裂口という)。これらの幼若な白血病の白血球は,正常骨髄に存在する同じ成熟段階の細胞と比べると,細胞の大きさ,核の型,核が細胞中で占める割合,細胞質の色調,顆粒の形や大きさ,などの点で異型性を示すことが少なくない。たとえば,急性骨髄性白血病に認められることのあるアウエル小体Auer bodyは,正常骨髄系白血球に存在する顆粒が杆状に変型したものであり,この小体を認める場合には,それが骨髄性白血病の白血球であることを容易に知ることができる。また,急性リンパ性白血病の中の成人型Tリンパ球性白血病では,白血病の白血球の核の型がクローバー状になったり,手袋様になるなど強い変型を伴うことを大きな特徴としている。
急性白血病のさらに細かい分類には,このような普通染色による形態的特徴以外に,ペルオキシダーゼ,エステラーゼ,酸ホスファターゼなどの顆粒酵素やPAS染色などによる組織細胞化学,電子顕微鏡による超微細構造,免疫学方法による表面形質,あるいは貪食能などの機能検査などが用いられている。このうちペルオキシダーゼ反応は,骨髄性白血病の白血球で陽性になることから,リンパ性と骨髄性の区別に古くから広く用いられている。慢性白血病の典型的な例では,血液中の白血球数がほかに原因もなく著しく増加し,骨髄では白血球生成の亢進が認められることによって診断される。各成熟段階のものがみられ白血病裂口がないので,急性白血病と容易に区別されるばかりでなく,骨髄性とリンパ性の区別も困難ではない。しかし,病初期で白血球の増加の程度が比較的軽度のときには診断は困難なことがある。また,腫瘍や感染症などで白血球が白血病のように増加する類白血病反応との鑑別診断が問題となることがある。慢性骨髄性白血病では,染色体分析で特徴的なフィラデルフィア染色体を認める例が多く,また好中球のアルカリホスファターゼ活性が低値を示すことが多い点が,鑑別点として有用である。また,慢性リンパ性白血病では,自己免疫異常を伴っていたり,増加したリンパ球がすべて一様に同じ性状を示すことなどが,鑑別上の参考となる。
原因と発症機序が不明のため,予防のてだてはまったくない。本症の治癒は,他の悪性腫瘍の場合と同様,全身の白血病の白血球を壊滅することによって初めて期待できる。この目的のため現在行われている治療法として,化学療法,放射線療法,免疫療法などがあげられる。このうち,最も広く用いられているものは化学療法である。病型によって,この際用いられる薬剤の有効性に差異が認められることが多い。代表的な薬剤として,急性骨髄性白血病にはダウノマイシン,サイトシンアラビノシド,6-メルカプトプリン,急性リンパ性白血病にはステロイドホルモン,ビンクリスチン,L-アスパラギナーゼ,慢性骨髄性白血病にブスルファン,ハイドロキシウレア,慢性リンパ性白血病にはクロラムブチルなどがあげられる。これらの薬剤はいずれも,白血病の白血球のみならず正常細胞に対しても強い毒性を有している。したがって,正常細胞に対する影響をできるだけ少なくしたり,また耐性の発現を少なくするため,投与法の工夫や積極的な補助療法がなされている。たとえば,作用機序の異なる薬剤を何種類か組み合わせて一定期間投与を繰り返す間欠的多剤併用療法が用いられることが多い。しかし,このような方法を行っても,白血病の白血球に選択的に有効な薬剤がないかぎり,患者の正常の造血機能を維持した状態で完全に白血病の白血球をなくすることはほとんど困難であり,完全な治癒は期待できない。したがって,徹底した補助療法のもとに,正常造血細胞の壊滅を無視して強力化学療法と放射線照射によって白血病細胞の絶滅をはかると同時に,正常者の骨髄を輸注して永久治癒を狙う方法(骨髄移植)も行われる。
予後については,より有効な薬剤の組合せによる間欠的多剤併用療法の進歩により,急性白血病,とくに小児の急性リンパ性白血病の長期生存者は,着実に増加している。また,適当に選択された患者に,十分な設備と専門医のいる医療機関で骨髄移植が行われれば,長期生存者の比率は大幅に上がることも知られている。しかし,白血病の全患者数からみると,その数は現時点ではわずかであり,本疾患はなお予後の非常に悪い疾患といえる。
→血液 →血球
執筆者:浅野 茂隆
ウシにおける白血病は,子牛多中心型,胸腺型,成牛多中心型および皮膚型の四つの型に分類されている。しかし,1969年に牛白血病ウイルスが分離されて,現在では地方病性白血病と散発性白血病が追加された。地方病性白血病は牛白血病ウイルスによって起こる伝染病で,2歳以上のウシに発症する。ネコにも白血病が多発しているが,この原因は猫白血病ウイルスである。
野外においては,病畜のふん便,分泌を介して病原ウイルスが伝達される。しかし,ウシにおける散発性白血病については,その伝播形式が明らかにされていない。ネコの場合,垂直ないしは水平感染が考えられており,消化器型,胸腺型,多中心型などが明らかにされている。
執筆者:本好 茂一
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癌(がん)と同じように、自分自身の白血球が無制限に増加し、放置すれば進行して死に至る病気。白血球が異常に増加して赤い血液が白みを帯びて見えるところから、ドイツの病理学者ウィルヒョウが名づけた。小児の悪性増殖性疾患のなかで最大の頻度を占めている。人種(国別)によって、発生頻度に多少の差と発生する種類に差があり、日本では、人口10万人に対して女性3人、男性4人ぐらいの死亡率である。
[伊藤健次郎]
地球上には無数の発癌にかかわる因子が存在するが、なかでも発病に関係の深いものとして、放射線(原爆、水爆をはじめ、検査、治療に用いられている放射線のすべて)、核酸の代謝に直接影響を与えるような化学薬品や医薬品、さらに発癌性物質といわれるもの、ウイルスの感染などがあげられる。そしておそらく10万人中の3、4人は遺伝的に白血病が発生しやすいような遺伝子をもち、そうした遺伝子保有者がこのような誘因に出会ったときに発病すると考えられる。また一方で、白血病に対する免疫力も関係しており、免疫力の低下した場合に発生しやすくなるものとも考えられる。なお、ウイルスは染色体の中に潜り込んで細胞遺伝子に変化をおこし、発病を助長すると考えられている。全年代にわたって発生するが、5~6歳の幼児と60~70歳の高齢者に頻度のピークがみられる。前者(小児白血病)は白血球が量的、質的に活発になる年代で、同時に、保育所などに通い始め、いろいろな誘因に初めて出会う年代でもある。後者は免疫力が自然に低下する年代であり、長い人生の間に数多くの誘因で変調をきたした細胞がたまりやすい年代でもある。
[伊藤健次郎]
白血病は、増加している白血球の種類によっていろいろに分類されている。白血球のもとになる芽球や、それに近い幼若な白血球が増加しているものを急性白血病といい、幼若なものも成熟したものもともに増加しているものは慢性白血病という。急性白血病には急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病の二大病型があり、前者では骨髄芽球、前骨髄球が異常に増加しており、後者ではリンパ芽球が増加している。ほかに単球性白血病があり、多くは急性型である。急性白血病では、増加している白血病細胞のために正常な造血の場所が狭められて貧血をおこし、正常白血球も血小板も減少するために、感染症にかかりやすく出血しやすくなる。さらに白血病細胞が全身に広がって肝臓や脾臓(ひぞう)が腫(は)れ(肝脾腫(しゅ))、リンパ性ではリンパ節が腫れてくる(リンパ節腫脹(しゅちょう))。急性前骨髄球性白血病では多くの顆粒(かりゅう)が血中に放出されるため、それがもとで血液が血管中で凝固する。播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)といわれ、これがおこると脳をはじめ全身に血栓症が発生し、血小板、凝固因子が減少し、大出血を引き起こして死亡する。
慢性白血病は、成熟した白血球が増加するためにあまり強い症状はなく、貧血も軽く、出血もみられない。リンパ性と骨髄性があるが、まれに単球性のこともある。リンパ性では免疫力が低下することがある。肝脾腫は急性型よりさらに著明で、腹部いっぱいに脾臓が腫れることがあり、リンパ性ではリンパ節の腫脹が強く、このように腫れた肝臓、脾臓やリンパ節による圧迫症状がおもな症状である。慢性骨髄性白血病にはフィラデルフィア染色体とよばれる異常染色体が90%の例にみられ、また成熟した顆粒球のアルカリフォスファターゼの含有量が低下しているのが特徴である。さらにまた、多くの例では3、4年目に急性白血病に変化する。これを急性芽球分利という。
そのほか、好酸球性白血病、好塩基球性白血病、形質細胞性白血病などもまれにみられ、高齢者の急性白血病には白血病細胞が少ない非定型的なものが多い。慢性リンパ性白血病は高齢者に多く、ことに白人に多い型であり、十数年以上元気で生存する場合がある。
[伊藤健次郎]
白血病の治療としてもっとも広く用いられているのは化学療法で、抗白血病薬である制癌剤が使われる。異常増殖した白血球(白血病細胞)を完全に消失させ完治させるまで制癌剤を使うと、正常細胞まで障害して生存できなくなるので、間欠的に使用して白血病細胞の数を段階的に減少させ、休薬期間中に正常細胞の回復を図る方法が行われる。これによって自覚および他覚症状が減少し、末梢(まっしょう)血や骨髄の所見が一見正常となる。これを寛解remissionといい、この療法を寛解導入療法という。続いて残存する白血球細胞の増殖を抑制して寛解状態を維持・安定させるための療法が行われ、これを地固め(強化)療法という。これを強力に行えば完全治癒が期待されるわけであるが、実際には治癒を期待するのは困難で、一定期間休薬してから制癌剤を投与することを繰り返す寛解維持療法が行われる。これにより、急性白血病(とくに小児白血病の急性リンパ性白血病)の長期生存者が増加しつつあり、外来通院や社会復帰が可能となってきた。しかし、白血病全体からみると、依然として予後の非常に悪い疾患であることに変わりはない。
[伊藤健次郎]
血液細胞は大きく分けると赤血球、白血球、血小板の3種類の細胞から成り立っています。これらの血球成分は
小児がんのなかで約30~40%と最も頻度が高く、急性リンパ性白血病(ALL)が75%、急性骨髄性白血病(AML)が20%と、小児の白血病のほとんどが急性白血病です。
原因は不明ですが、放射線
白血病細胞が骨髄で増殖するため、正常な赤血球、白血球、血小板の産生を抑え、貧血、感染症や出血傾向などの症状が現れます。また白血病細胞がいろいろな臓器に浸潤するため、
まず血液検査で血球数と白血球分画を調べます。末梢血中に白血病細胞が認められる場合も多く、診断への手がかりになります。
診断のためには骨髄検査が必須で、骨髄細胞をメイ・ギムザ染色やその他の特殊染色で染色し、顕微鏡で細胞の性質を検討します。また細胞表面マーカーや染色体検査を行うことにより、白血病の病型の確定と予後の推測を行います。
急性白血病の治療の目標は、体内から1個残らず白血病細胞を根絶させることです。抗がん薬の投与(化学療法)が治療の中心になり、有効性が明らかにされている複数の薬剤を併用して用います(表16)。
まず
ALLでフィラデルフィア染色体陽性例、診断時の白血球数高値や、乳児・年長児で寛解導入療法に反応しない場合、AMLで予後不良と考えられる染色体異常がみられる場合などでは、造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植が行われます。
白血病の治療は化学療法が中心ですが、治療による骨髄抑制下での感染症の治療、抗がん薬の副作用対策などの補助療法が重要です。化学療法の経験が十分にある施設で治療を行うことが望まれます。日本では現在3つの小児白血病治療グループがあり、よりよい治療法を確立するための治療研究が行われています。
高橋 良博, 伊藤 悦朗
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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白血病は造血器のがんの代表であり、かつては不治の病とされていましたが、近年では抗白血病薬や抗がん薬による化学療法や
●おもな症状
急性白血病では
慢性白血病ではそれほど症状は出ませんが、
①血液検査(血球数、白血球分類、白血病細胞の検出など)
▼
②骨髄穿刺/染色体分析
血液検査で異常な細胞をみつける
まずは血液検査が重要です。一般的に白血病では、白血球が増えて赤血球と血小板が減ることが多くなります。次に、どのような白血球が増加しているかを調べて(白血球分類)、未成熟な細胞や異常な細胞が検出されると、白血病の疑いが高まります。
さらにくわしく調べるために、腸骨または胸骨に針を刺して骨髄液を採取し、そこに含まれる白血球の形態を調べます(
国際基準によって診断
これら一連の検査で、どのような種類の白血病であるかを確定していきます。以前は分類するにあたって、担当医によりかなり個人差があって統一基準が得られづらい面もあったのですが、近年ではFAB分類という国際的な基準が定着しています。これは、いろいろな染色法を用いて細胞の特性を調べ、それによって細胞の由来(
また、モノクローナル抗体というものを使った細胞表面マーカーの検索でも白血病細胞由来の分類が可能になりました。白血病細胞の染色体分析という手法も進んできていて、遺伝子検査とともに有力な診断法として期待されています。
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これでわかるように,癌は多くの場合〈固い塊〉として出現するが,皮膚や消化管の癌では,表面を薄く広がっている場合もある。白血病では,癌は血中を流れたり,組織に瀰漫(びまん)性に入り込んでいて,必ずしも形をなさない。
【癌の種類】
異常な細胞が過剰に増生してつくる組織の塊を,腫瘍tumorあるいは新生物neoplasmという。…
…貧血に対して赤血球数が増加する病気を赤血球増加症(多血症)といい,腫瘍性増殖によるものと,心臓や肺疾患のために生ずる続発性のものがある。(2)白血球の異常による病気 癌のように白血球が無秩序に増殖し,そのため役にたつ正常の白血球や赤血球,血小板の産生が妨げられるのが白血病である。どの系統の血球が腫瘍になったかにより,顆粒球性,リンパ球性,単球性に分け,また白血病の細胞が成熟する傾向を示さず,急激な経過をとる急性白血病と,成熟傾向があり,ゆっくりした経過をたどる慢性白血病に分類される。…
…ABCC(現,放射線影響研究所)を主とする追跡研究の結果によると,原爆被爆者では悪性腫瘍の発症率が,被爆しなかった人々との間で,統計的に有意に増加している。とくに骨髄性白血病の年間発症率は,被爆後2年後からしだいに高くなり,5~8年後にはピークに達し,対照群の約10倍になっている。しかし,その後しだいに発症率は低下し,20年後以降は対照群との差がなくなりつつある。…
…小児癌には,成人にはほとんどみられることのない特有なものと,成人にも小児にもみられるものとがある。前者には神経芽腫,ウイルムス腫瘍,網膜芽細胞腫,肝芽腫などがあり,後者には白血病,悪性リンパ腫,脳腫瘍などがある。しかし,どちらともいえないものや,また同じ病名でも,成人と小児とでは病型が異なり,症状や治療法の違うものが少なくない。…
…治療は対症療法しかなく,予防ワクチンもないが,大流行はみられない。(4)白血病 ネコ白血病ウイルスによって起こる血液の癌であるが,感染しても必ず白血病になるわけではない。しかし,他の病気に対する抵抗力の低下,貧血,腎不全など多彩な症状を現すやっかいな感染症である。…
※「白血病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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