公害輸出(読み)こうがいゆしゅつ

百科事典マイペディア「公害輸出」の解説

公害輸出【こうがいゆしゅつ】

先進工業国の企業が公害規制の緩い開発途上国工場進出させ,そこで公害を発生させること。途上国が外国企業の進出を積極的に歓迎する姿勢の場合には,公害輸出が発生しやすい。日系企業による公害輸出事件ではマレーシアで起こったARE事件が代表的である。危険物・有害物の輸出の例としては,自国では生産・使用が禁止されているDDTやBHC,ディルドリンなどの有機塩素系農薬を未規制の途上国に輸出するなどがある。経済団体連合会は1990年4月に作成した〈地球環境問題に対する基本的見解〉の中で,外国へ企業が進出する際の環境配慮事項として〈有害物質の管理については日本国内並みの基準を適用する〉としている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「公害輸出」の解説

公害輸出
こうがいゆしゅつ

先進国廃棄物の排出規制が厳しくなったために,規制のゆるやかな発展途上国に工場を移し,有害廃棄物を処理せずに排出するなどして公害を発生させてしまうこと。規制の未発達な途上国での工場建設は,廃棄物規制と人件問題を回避できるとともに,受け入れ国側にとっても開発による活性化雇用拡充がはかられるため,急速に広まった。しかし各地で公害を引き起こし,問題化した。日本では 1960年代後期からの経済高度成長に伴い,アジア諸国への進出が増えた。

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