BCAS(読み)ビーキャス(その他表記)B-CAS

デジタル大辞泉 「BCAS」の意味・読み・例文・類語

ビー‐キャス(B-CAS)

BS Conditional Access Systemsデジタル放送関連業者の共同出資により設立された株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズの略称。または同社が管理する限定受信方式や、それに利用する専用カードB-CASカード)をさすこともある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「BCAS」の解説

B-CAS

日本のデジタル放送システムで利用されている、限定受信方式。1枚に1つのIDが書き込まれたICカード「B-CASカード」と、そのカードを読み取る仕組みで成り立っており、B-CASカードのIDがないと、放送映像に組み込まれた暗号が解けず、視聴できない、という仕組みになっている。元々は、日本国内で販売された、正当な著作権保護対策が搭載された機器でのみ再生を許可することを目的に導入されたもので、事実上、著作権保護施策として機能している。
2000年にBSデジタル放送が開始された際、海外での無許可受信と、それに伴う海賊版作成を防止する目的から導入が始まり、02年にはCSデジタル放送でも採用された。その後、03年に地上デジタル放送がスタートする際にも、そのまま採用された。
デジタル放送での著作権保護機能「コピーワンス」「ダビング10」とあわせ、その運用には批判が多い。特にB-CASについては、B-CASカードの発行を、一企業である「株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ」が独占していること、またそもそも、無料放送かつ基幹放送である地上デジタル放送に、衛星放送と同じ「限定受信システム」が必要か否か、という2点が、やり玉にあがっている。
総務省は、11年のアナログ放送終了までに、地デジでのB-CASシステムのあり方に関し、再検討を行う方針をたて、関係各所との調整を行っている。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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