D-グルシトール(読み)グルシトール

化学辞典 第2版 「D-グルシトール」の解説

D-グルシトール
グルシトール
D-glucitol

C6H14O6(182.17).D-ソルビトールともいう.ヘキシトールの一種.D-マンニトールD-ガラクチトールと同様に広く植物界に分布する.とくにヨーロッパ産のミヤマナナカマドSorbus aucupariaや日本産のS.commixta Hedlundの果実では5~10%,紅藻Bostrychia scorpoidesには13.6% も含まれる.これらから抽出されるほか,D-グルコースの還元により合成される.吸湿性の結晶.無水物の融点112 ℃.-1.9°(水).+7°(ホウ砂水).水,エタノールに可溶.甘味がある.Acetobacter xylinumA.suboxydansなどの細菌により,選択的に酸化されてL-ソルボースを生じる.ビタミンCの合成原料,皮革などの軟化剤,不凍剤,糖尿病患者用の甘味料,利尿剤,そのほか利用範囲が広い.LD50 15900 mg/kg(ラット経口).[CAS 50-70-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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