知恵蔵 「GitHub」の解説
GitHub
複数人が携わるソフトウエア開発において、ソースコードの共有や、バージョン管理といった作業は必要不可欠となる。GitHubは、開発者同士がコラボレーションしながら、ソースコードを管理できるサービスとして広まり、15年11月時点で、ユーザーは1000万人を超えている。
GitHubには、ソースコードを始めとするプログラム開発に必要なファイルやそれらの変更履歴等を保存する「リポジトリ」と呼ばれる場所があり、ソースコード等のバージョンを管理する機能の他、プログラム開発等に対する開発者間でのレビューやコメント機能、プログラム開発の進捗(しんちょく)を管理する機能等が備わっている。
近年、世界中の開発者がソースコードを共有し、より良いソフトウエアを作り出そうという「オープンソースソフトウエア(OSS)」活動が盛んであり、GitHubはOSS活動の拠点にもなっている。GitHubを利用すれば、自分のソースコードを公開して、世界中の開発者に意見や改変作業等を求めることも可能となる。このような背景の中、アップル社や、マイクロソフト社、グーグル社などといった世界有数の企業も、自社のOSSをGitHubで公開している。
なお、GitHub社は、ユーザーを企業内等に限定できる有料の「GitHub Enterprise」も提供しており、米自動車メーカーフォード社や、米インターネット決済サービスPayPal(ペイパル)社、日本では、ヤフージャパン社、日立システムズ社等、多くの企業が導入している。
14年には、初めての海外法人として「GitHub Japan」を設立した。同社では、「GitHub Enterprise」の日本国内展開に力を入れており、日本語による導入サポート、技術サポートの提供、日本円による決済も可能としている。
(横田一輝 ICTディレクター/2016年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報