II-VI族化合物半導体(読み)にろくぞくかごうぶつはんどうたい(その他表記)II-VI compound semiconductor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

II-VI族化合物半導体
にろくぞくかごうぶつはんどうたい
II-VI compound semiconductor

12族元素 (亜鉛 Zn,カドミウム Cd,水銀 Hg) と 16族元素のうちの酸素O,硫黄S,セレン Se,テルル Teによる化合物半導体 (たとえば CdS,CdSeなど) 。これらの元素は,1990年改訂以前の周期表ではそれぞれ II族,VI族であったため,現在も用いられている。 II-VI族化合物半導体は共有結合とイオン結合との両方で結ばれている。イオン結合の割合の大きい化合物ほど,禁制帯幅が大きくなり移動度が小さくなる傾向がある。エネルギー帯構造はいずれも直接遷移型である。光電変換材料として重要で,CdSや CdSeを用いた光導電素子は光検知器に,ZnSや CdSを用いたケイ光体はブラウン管面に実用され,さらに ZnSや ZnSeを用いた可視光発光素子 (ELパネル,発光ダイオード,半導体レーザー) の開発研究も進められている。しかし,構成元素の一部が結晶から抜けて電気的に活性な欠陥を形成しやすいため,CdTe,HgTe以外は通常容易にはp型かn型の結晶しか得られず,同一材料によるp-nホモ接合を利用した半導体素子の製作は困難である。p-n接合を形成する場合には,異なった材料によるヘテロ接合が用いられることが多い。

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