化学辞典 第2版 「L-プロリン」の解説
L-プロリン
プロリン
L-proline
(S)-pyrrolidine-2-carboxylic acid.C5H9NO2(115.13).略号ProまたはP.非必須アミノ酸.タンパク質構成アミノ酸として,また遊離の状態で広く分布している.タンパク質中では,ペプチド鎖の折れ曲がる位置に存在し,特殊な立体構造の保持に役立っている.ゼラチン,ツェイン,グリアジンなどの加水分解物からロダニル酸塩,ライネッケ塩を用いる沈殿法や,亜硝酸を作用させ,α-アミノ酸を分解する方法,あるいは発酵法で製造する.生体内ではグルタミン酸から合成される.L-プロリンは針状晶.分解点220~222 ℃.-52.6°(0.5 mol L-1 塩酸).pK1 1.99,pK2 10.60,pI6.30.水,エタノールに易溶,エーテル,クロロホルムに不溶.γ-ヒドロキシ-,γ-メチル-,γ-メチル-γ-ヒドロキシプロリン類やプロリンベタインもコラーゲンや植物中に見いだされている.弱い甘味がある.[CAS 147-85-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報