SN2型反応(読み)エスエヌニガタハンノウ

化学辞典 第2版 「SN2型反応」の解説

SN2型反応
エスエヌニガタハンノウ
SN2 type reaction

分子的求核置換反応(bimolecular nucleophilic substitution)の略称求核試薬による置換反応のうち,二分子的に反応が進行するものをいう.律速段階で共有結合に変化を与える分子の数が2分子でなければならない.ハロゲン化アルキルR1 R2 R3CXと求核試薬Yとの反応を例にすると,遷移状態において置換を受ける炭素原子は五価で三方両すい型をしていて,攻撃試薬Yは脱離基Xの反対側から近づく.遷移状態におけるC-XとC-Y結合は結合力に差はあるが,ともに弱い結合である.置換される原子団Xが不斉炭素原子に結合しているとき,SN2型反応では,一般にワルデン反転が起こる.攻撃試薬Yの求核性が大きいとき,脱離基がオニウム塩のとき,アルキル基の立体障害が小さいとき(たとえば,メチルや第一級アルキル基)などSN2型反応が起こりやすい.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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