日本大百科全書(ニッポニカ) 「TAMA300」の意味・わかりやすい解説
TAMA300
たまさんびゃく
国立天文台の三鷹キャンパス(東京都三鷹市)にある重力波望遠鏡。1995年(平成7)から開発が始められた重力波を検出するためのレーザー干渉計で、1999年に運用を開始した。レーザー干渉計の基線が300メートルで設置場所が東京の多摩地区であることからTAMA300と命名された。次世代のキロメートル規模の干渉計のための技術開発と局部銀河群で起こるイベントから発生する重力波を検出することが目標である。TAMA300では、レーザーエネルギーを増幅できるリサイクリングという技術により安定かつ単一波長のレーザー光を用いる、精度の高いファブリペロー型マイケルソン干渉計が使われている。TAMA300の感度は、銀河系内で発生する連星中性子星からの重力波を捕らえるレベルまで達している。
[編集部 2023年4月20日]