宇宙を光の速さで伝わる重力波をとらえ、観測する天文学。重力波は、アインシュタインの相対性理論から予言される非常に微弱な波であり、直接観測できた例はない。1994年(平成6)、文部省(現、文部科学省)宇宙科学研究所(2003年10月、宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所と統合し、独立行政法人、宇宙航空研究開発機構となる)に世界最大の重力波天文台「天鼓100」が完成したが、これで超新星の爆発や中性子星どうしの衝突で放射される重力波を観測できるのではないかと期待されている。「天鼓100」は、真空状態にした長さ100メートルのパイプ2本をL字型に直交させ、その両端に鏡をつけてレーザー光を約100回往復させる。重力波がやってくると、レーザー光が往復する一方のパイプの長さはわずかに伸び、他方はわずかに縮むので、この差を検出する。アメリカやヨーロッパでも新しい重力波天文台建設の計画があり、宇宙の起源や進化の研究が大きく進むと考えられる。
[広瀬立成]
2015年9月、アメリカの大型レーザー干渉計重力波観測天文台「LIGO(ライゴ)」(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory)が、約13億年前に二つのブラックホールの合体で生じた重力波の観測に成功した。
[編集部 2023年12月14日]
『藤本眞克著『重力波天文学への招待』(1994・日本放送出版協会)』
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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