村木源次郎(読み)ムラキ ゲンジロウ

20世紀日本人名事典 「村木源次郎」の解説

村木 源次郎
ムラキ ゲンジロウ

大正期のアナキスト



生年
明治23(1890)年

没年
大正14(1925)年1月24日

出生地
神奈川県横浜市

経歴
幼年時代に一家離散し、そのため早くから写真屋などで働く。クリスチャンで、横浜の海岸教会に通っており、ここで知りあった服部浜次らが明治37年横浜平民結社(のちの曙会)を組織すると、その活動に参加。次第に社会主義運動に傾斜し、41年には赤旗事件に連座し重禁錮1年に処せられる。大正期に入ってからは大杉栄らと交わりアナキストとなる。13年関東大震災1周年記念に震災時の戒厳司令官福田雅太郎大将の暗殺をはかったが失敗した。その予審中に肺結核が悪化し、仮出獄の2日目に死去した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「村木源次郎」の解説

村木源次郎 むらき-げんじろう

1890-1925 大正時代無政府主義者
明治23年生まれ。関東大震災時の大杉栄虐殺の報復として,大正13年和田久太郎,古田大次郎らと震災時の戒厳司令官福田雅太郎(まさたろう)の暗殺をはかり検挙された。予審中の大正14年1月24日病死。36歳。神奈川県出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の村木源次郎の言及

【甘粕事件】より

…12月16日には大杉の葬儀が行われたが,その朝には右翼の大化会が大杉の遺骨を奪取して葬儀を侮辱した。大杉派の無政府主義者もテロリズムにかりたてられ,震災1周年には和田久太郎,村木源次郎が福田元戒厳司令官の暗殺を企てて失敗し,無政府主義の衰退を早めた。甘粕は3年後の1926年10月に早くも仮出獄し,陸軍の機密費で1年半ほど渡仏した。…

※「村木源次郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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