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暗殺 あんさつassasination

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

暗殺
あんさつ
assasination

国や世界,もしくはヨーロッパやアジアなど特定の地域の社会の流れを,行為者側の望む方向に変える目的で,その社会に政治的な影響力をもつ人物を殺害すること。テロリズム行為の1形態である。国家元首もしくは政府首班を対象とする場合が多く,アメリカにおけるリンカーン大統領 (1865) やケネディ大統領 (1963) の暗殺,日本では五・一五事件での犬養毅 (32) 首相の暗殺などが典型的である。ただし政敵を倒すという意味で,1882年の自由党党首,板垣退助暗殺未遂事件など対立する政党の党首や 1932年の血盟団事件の団琢磨暗殺など財界指導者などを標的にする場合もある。

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デジタル大辞泉の解説

あん‐さつ【暗殺】

[名](スル)主に政治上の立場や思想の相違などから、ひそかに要人をねらって殺すこと。「大統領が暗殺される」

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百科事典マイペディアの解説

暗殺【あんさつ】

政治的目的のために,政治的要人を非合法的手段で殺すこと。〈王殺しregicide〉が古くから多くの文化圏にみられるように,政治権力の出現とともに暗殺の事例も現れたといえる。

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世界大百科事典 第2版の解説

あんさつ【暗殺 assassination】

広義には非合法の殺害一般をさすが,狭義には政治的な理由から行われる殺人を意味する。このような事例が古く政治権力の出現にまでさかのぼりうることは王殺害regicideが古今東西をとわず各文化圏に存在することからもわかる。古代ローマのカエサル暗殺のように独裁者・暴君を政治的・宗教的理由から殺害することの可否は,暴君放伐論(モナルコマキ)として,ヨーロッパ政治思想のひとつの論点でもあった。また宗教と政治が未分化な社会では宗教的理由から暗殺が行われたが,特に有名なのは,イスラム教イスマーイール派のアサッシンAssassinにより行われた暗殺でありヨーロッパで暗殺assassinationの語源となったほどである。

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大辞林 第三版の解説

あんさつ【暗殺】

( 名 ) スル
(主に政治的な理由で要人を)ひそかにねらって殺すこと。 「大統領が-される」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

暗殺
あんさつ

政治的に影響力をもつ人間を、政治的、思想的立場の相違に基づく動機によって、非合法的かつ秘密裏に殺害すること。より広義には、暴力団同士の対立に由来する場合のように、非合法的殺害一般にも用いられる。暗殺を意味する英語assassinationおよびフランス語assassinatは、アラビア語のhashshshn(麻薬の一種のハッシシhashishを飲んだ人、を意味する)に由来している。11世紀末にハッサン・サバーハHassan-ben-Sabbahという人物がペルシアにおいて少数精鋭の秘密結社をつくり、結社員にハッシシを与えては政府要人を暗殺させたが、この暗殺団のことが十字軍によりヨーロッパに伝えられ、語源となった。暗殺の歴史自体はより古く、紀元前336年の古代マケドニア王フィリッポス2世や前44年のカエサル(ブルートゥスらによる)の例が知られている。近代以降では、フランス革命期のマラー、アメリカ大統領リンカーン、20世紀にもロシアの革命家トロツキー、アメリカ大統領ケネディ、エジプト大統領サダトらの例があり、わが国でも、時の権力者伊藤博文(ひろぶみ)、原敬(たかし)や、反権力側の山本宣治、浅沼稲次郎などの例がある。
 暗殺には、権力者によるものと権力者に対するもの、白色テロ、赤色テロ、政治的計画性の強いものと個人的動機の強いものなどの区別があるが、いずれも政治的緊張の高まりのもとで政治不安、政治危機を促進し、ときには戦争の引き金となる(例、第一次世界大戦)。また宮廷革命やクーデターと密接に関係する(例、二・二六事件)。[加藤哲郎]
『ムハンマド・ハサナイン・ヘイカル著、佐藤紀久夫訳『サダト暗殺――孤独な「ファラオ」の悲劇』(1983・時事通信社) ▽カール・シファキス、関口篤訳『暗殺の事典』(1993・青土社) ▽大沢正道著『大物は殺される――歴史を変えた「暗殺」の世界史』(1994・日本文芸社) ▽ジョージ・フェザリング著、沢田博訳『世界暗殺者事典』(2003・原書房) ▽大野芳著『伊藤博文暗殺事件――闇に葬られた真犯人』(2003・新潮社) ▽ウィリアム・レモン、ビリー・ソル・エステス著、広田明子訳『JFK暗殺――40年目の衝撃の証言』(2004・原書房) ▽柘植久慶著『歴史を変えた「暗殺」の真相――時代を動かした衝撃の事件史』(PHP文庫)』

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