うわなり打ち(読み)うわなりうち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「うわなり打ち」の意味・わかりやすい解説

うわなり打ち
うわなりうち

離縁された前妻後妻にいやがらせをする習俗をいう。日本の古代の一夫多妻制では、二度目およびそれ以後の妻を「うはなり」とよんだが、律令(りつりょう)制では一夫一妻のたてまえで、うわなりを「めかけ」とよんだ。平安時代になると、この語はいまでいう後妻の意に転じた。うわなり打ちという場合のうわなりは、あとの意味である。すなわち、ある人が妻を去り、その後まもなく後妻を迎えると、前妻が憤慨して、親しい女子を語らって箒(ほうき)やすりこ木などをもって後妻を襲撃した。後妻のほうでも親しい女子を集めて防戦に努めた。この習俗は平安時代から戦国時代ごろまで行われたが、とくに戦国時代には盛んであった。

石井良助

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許されるという風習。また、4月1日のこと。あるいは、かつがれた人のこと。四月ばか。万愚節。《季 春》[補説]西洋もしくはインドに始まる風習で、日本...

エープリルフールの用語解説を読む