新聞オンブズマン(読み)しんぶんオンブズマン(英語表記)press ombudsman

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新聞オンブズマン」の意味・わかりやすい解説

新聞オンブズマン
しんぶんオンブズマン
press ombudsman

新聞報道に対する読者の苦情などを受け付け,事実を調査し,処理する機関。プレスオンブズマンともいう。オンブズマンスウェーデン語代理人の意。新聞社外に設置され,すべての新聞に対する苦情を扱うスウェーデン型と,個々の新聞社内部に置かれ,各紙に対する苦情を扱うアメリカ合衆国型とがある。スウェーデンでは 1969年に新聞評議会改革の一環として設立された。読者からの苦情が正当と判断したときは,当該新聞に訂正か反論の掲載を求める。掲載で解決しない場合や,新聞倫理上重大な問題を含んでいる場合は新聞評議会にまわされる。当該新聞社は新聞評議会の裁定書を全文掲載しなければならない。一方,アメリカの場合はいわゆる社内オンブズマンで,1967年に初めて設置された。「ジミーの世界」事件における『ワシントン・ポスト』のオンブズマンの活動が知られる。日本では,苦情は広報室などで受け付けるとともに,記事については審査部などでチェックするかたちをとるところが多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android