馬蹄鉄腎(読み)バテイテツジン

内科学 第10版 「馬蹄鉄腎」の解説

馬蹄鉄腎(腎・尿路の先天性異常)

(1)馬蹄鉄腎(horseshoe kidney)
 左右腎の下極が融合し,腎の上昇回転が阻害されるのが馬蹄鉄腎である.400人に1人にみられ,男性に多い.腎臓の位置は低く腎盂腹側を向き,尿管は腎実質をこえるように走行するために尿路通過障害を起こす場合もある.背屈すると尿路通過障害が増悪して腹痛が起こる(Rovsing徴候).狭部離断手術が必要になることもあるが,大部分治療を要しない.[武藤 智・堀江重郎]

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の馬蹄鉄腎の言及

【馬蹄腎】より

…正常では腎臓は左右の腰背部に別々に一対として存在するが,先天的な発生異常によって脊椎の前面で融合し,上に開いたコの字形をしている。この形が馬蹄鉄に似ていることから,馬蹄鉄腎あるいは馬蹄腎と呼ばれている。左右の腎臓が融合している奇形を融合腎と総称するが,本症はこのなかで最も頻度が高いものである。…

※「馬蹄鉄腎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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