あやかし

精選版 日本国語大辞典 「あやかし」の意味・読み・例文・類語

あやかし

〘名〙
① 海に現われる妖怪。あやかり。
※光悦本謡曲・舟弁慶(1516頃)「いかに武蔵殿、此の御船には、あやかしがつきて候」
② 不思議で怪しいこと。また、そのもの。あやかり。
※甲陽軍鑑(17C初)品五七「あやかしのつきたる勝頼公御備へなり」
能面の一つ。男性の怨霊(おんりょう)を表わした男面。「船弁慶」「鵺(ぬえ)」「碇潜(いかりかずき)」「錦木(にしきぎ)」などの後ジテに用いる。また、三日月、鷹などの幽霊面の総称
④ 魚「こばんざめ(小判鮫)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
⑤ 愚か者。馬鹿者。あやかり。
※江湖集抄(1561)下「古人皆十年二十年参禅をして辛労したは、あやかし共よ」
⑥ (形動) 弱々しいこと。やわらかいさま。柔弱
※土井本周易抄(1477)五「をんな豕は、つかれてあやかしな者ぞ」
⑦ (形動) 事実が明白でないこと。また、そのさま。〔和訓栞(1777‐1862)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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