デジタル大辞泉
「小判鮫」の意味・読み・例文・類語
こばん‐ざめ【小判×鮫】
1 コバンザメ科の海水魚。全長約80センチ。体は細長く、頭胴部は縦扁し、頭の上面に第1背びれの変形した小判形の吸盤をもち、大形魚や船舶に吸着する。体色は青褐色で、体側に幅広い暗色の帯が1本走る。
2 スズキ目コバンザメ科の海水魚の総称。灰色をしたシロコバン、背が暗色のクロコバンなども含まれ、温・熱帯海に分布。こばんいただき。
3 (1が大形魚の食べ残しなどを餌にすることから)力の強い者の近くにいて、そのおこぼれにあずかる者のたとえ。「小判鮫商法」
[類語]鮫・鱶・甚平鮫・鋸鮫・青鮫・頰白鮫・葦切鮫
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こばん‐ざめ【小判鮫】
- 〘 名詞 〙
- ① コバンザメ科の海産魚。体は細長く、全長約一二〇センチメートルに達する。頭部背面に、第一背びれが変形した小判形の吸盤があり、サメ類などの大型動物の体に吸着しているが、単独で遊泳生活をすることもある。吸着している大型動物の体表に付着する寄生動物や動物プランクトンを食用とする。体色は青褐色で体側に暗色の縦帯がはしる。サメの名がつくが、普通のサメ類とは類縁が遠く硬骨魚綱に属する。温・熱帯の海に広く分布。こばんいただき。あやかし。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- ② コバンザメ科の魚の総称。頭頂に吸盤をもち、大形の魚類や鯨類、船底などに吸着する。コバンザメのほかシロコバンザメ、クロコバンザメなどがある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の小判鮫の言及
【雪之丞変化】より
…林長二郎(のちの[長谷川一夫])が女形と俠盗の2役を演ずることを企画の眼目とし,レコード会社とタイアップした主題歌《むらさき小唄》が流行歌手東海林太郎の歌で《赤城の子守唄》に続いて大ヒット,興行的には大成功で,これが松竹蒲田撮影所の大船移転(1936)の費用をすべてまかなったと伝えられている。 1930年代前半に〈松竹時代劇〉の黄金時代を築いた衣笠貞之助=林長二郎コンビの頂点をなした娯楽映画で,戦後も衣笠は長谷川一夫を中心とした新演技座プロで再映画化を企画したが,すでに元の作品が占領軍によって日本の軍国主義と封建主義に協力したという理由で〈禁止映画〉とされていたため許可されず,表面的には新作を装って改変した《小判鮫》二部作(1948‐49)が長谷川一夫主演でつくられた。63年には,大映(京都)で〈長谷川一夫三百本記念映画〉として長谷川一夫自身の製作により,市川崑監督の《雪之丞変化》がつくられた。…
※「小判鮫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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