ガンコウラン(岩高蘭)(読み)ガンコウラン(英語表記)Empetrum nigrum; crowberry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガンコウラン(岩高蘭)」の意味・わかりやすい解説

ガンコウラン(岩高蘭)
ガンコウラン
Empetrum nigrum; crowberry

ガンコウラン科の常緑小低木で,本州中部以北の高山裸地などに生える。地上をはい,よく分枝して,長さ 60~90cmとなる。葉は線形で裏側に巻込み,長さ5~6mmの濃緑色で密に互生する。雌雄異株で,春に萼片,花びらともに3枚から成る小さい花をつける。雄花にはおしべが3本あり,雌花には6~9室の子房と濃い紫色の柱頭から成るめしべがある。夏から秋にかけて,直径 1cmぐらいの球形の核果をつくる。紫黒色でつやがよく,甘ずっぱい汁があり食べられる。ジャムや果実酒などを造る。北半球の冷温帯や高山に広く分布するが,ごく近縁の種で果実の赤いアカミノガンコウラン E. rubrumがアンデス山系の南端部にあり,両極分布の例として有名である。

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