めしべ(その他表記)pistil

翻訳|pistil

百科事典マイペディア 「めしべ」の意味・わかりやすい解説

めしべ

雌蕊(しずい)とも。種子植物の花の一部で,花の中心部にある雌性生殖器官。1〜数枚の心皮の集りで,ふつう花粉がつく柱頭胚珠の入っている子房,その間をつなぐ柱状の花柱の3部からなる。柱頭は粘液を分泌する細胞があり,花粉が付着するのに役立つ。めしべは構成する心皮の数によって一心皮雌蕊(バラ科,マメ科),二心皮雌蕊(アブラナ科),三心皮雌蕊(ユリ科),多心皮雌蕊(カタバミ科)などに区別される。おしべの対。→
→関連項目胚珠

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「めしべ」の意味・わかりやすい解説

めしべ
pistil

雌しべ。雌ずい (雌蕊) ともいう。種子植物の花の中心すなわち花の最も高いところに生じる葉の変形したもので,雌性の生殖器官。柱頭,花柱,子房の3部からできているが,そのおのおのの形や発達の程度はいろいろである。1枚の心皮から形成されているめしべは一心皮めしべ monocarpellary pistilという。また数枚の心皮が合して1つのめしべを形成していることもまれでなく,これを合生心皮めしべ syncarpous pistilという。柱頭は花粉を受け,花粉管が発芽して花柱を通り子房に到達する。子房は胚珠を蔵している。胚珠は胚嚢すなわち小胞子を含み,胚嚢はのちに卵細胞を生じるので,胚珠は雌性の胞子嚢にあたる。したがってめしべはシダ類の大胞子葉に相当する。

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