サイクロン(機械)(読み)サイクロン

百科事典マイペディア 「サイクロン(機械)」の意味・わかりやすい解説

サイクロン(機械)【サイクロン】

流体の旋回流で生じる遠心力により粒子沈降速度を増加させ,粒子を分離・捕集する装置。一般に円筒形(直径数十cm〜7m)および円錐形の容器からなり,円筒部の周壁に接線方向の流入口,円筒部の上面中央と円錐部の下端に流出口をもつ。取り扱う物質により気体サイクロンと液体サイクロンに分類。前者には,気体中に分散する固体粒子や液滴を分離・捕集するサイクロン集塵(しゅうじん)器,固体粒子をその粒径・比重などに従って分級するサイクロン空気分級機などがあり,直径10μm程度の粒子まで捕集可能。特に小さい粒子の場合には小型のものを並列に組み合わせたマルチクロンを使用する。後者には,液体中に分散する固体粒子を分離・捕集する清澄サイクロンのほか,濃縮サイクロン,分級サイクロン,選別サイクロンなどがある。いずれも構造・取扱いが簡単で,処理能力が大きく,鉱業,化学工業,食品工業などで広く使用されている。
→関連項目集塵装置

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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