サン・ピエール・エ・ミクロン(読み)さんぴえーるえみくろん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サン・ピエール・エ・ミクロン
さんぴえーるえみくろん
Saint-Pierre et Miquelon

カナダ東部ニューファンドランド島南の諸島。フランス海外自治体の一つ。県都はサン・ピエール。サン・ピエール島ミクロン島をいっしょにした呼称で、サン・ピエール・ミクロン諸島ともよぶ。サン・ピエール島は、面積26平方キロメートル、人口6316(1999)、5415(2015センサス)。北隣のミクロン島は、砂州でつながる大ミクロン島と小ミクロン島からなり、面積216平方キロメートル。常緑灌木(かんぼく)の茂る岩石島で、人はほとんど住んでいない。サン・ピエール・ミクロン諸島は八つの島より構成され、北アメリカにおける唯一のフランス領土である。これら諸島は、ニューファンドランド・バンクでタラ漁をするフランス漁船の基地で、サン・ピエール島ではその加工業が盛んである。1660年にニューファンドランドやアカディアから追い出されたフランス人によって建設された。その後、イギリスとの間で島の領有権をめぐって紛争が起きたが、1814年のパリ条約でフランス領となった。

[山下脩二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサン・ピエール・エ・ミクロンの言及

【サン・ピエール[島]】より

…17世紀前半にフランス人が上陸,その後イギリスと領有権を争ったが,1814年のパリ条約で近くのミクロン島とともにフランス領となった。サン・ピエール・エ・ミクロンはフランスの地域公共団体(人口6392。1990)の一つで,県都は最大都市でもあるサン・ピエール。…

【ミクロン[島]】より

…北アメリカ,ニューファンドランド島南方沖合のフランス領の島。かつて北アメリカにあった広大なフランス領のなごりで,近くのサン・ピエール島などとともに,フランスの地域公共団体となっている。面積115km2。南に隣接するラングラードLanglade島(小ミクロン島,面積91km2)とは砂州で結ばれている。ラングラード島と合わせた人口709(1990)。北西大西洋漁場をひかえ,タラ漁など水産業が盛ん。行政的にはサン・ピエール・ミクロン(海外)県を形成し,フランス国会へ議員を送っている。…

※「サン・ピエール・エ・ミクロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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