アカディア(英語表記)Acadia

翻訳|Acadia

デジタル大辞泉 「アカディア」の意味・読み・例文・類語

アカディア(Acadia)

カナダノバスコシア州ニューブランズウィック州、および米国メーン州のあたりの旧称。17世紀初頭にフランス人が開拓し、18世紀半ばのフレンチインディアン戦争契機英国がフランス系住民のアカディアンを追放し、現名称になった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アカディア」の意味・わかりやすい解説

アカディア
Acadia

現在のカナダのニューブランズウィック州,ノバ・スコシア州,アメリカ合衆国のメーン州にまたがる地域の古称。1605年,ノバスコシアの現アナポリス・ローヤルにフランスから派遣されたド・モンとシャンプランは植民地を形成,2年後に彼らの関心はケベックへ移ったが,以来ここはフランス系カナダ人の故郷となっており,現在もフランス語を話す人々が多く居住している。一方イギリスもこの地に進出して領有権を主張し,21年スコットランド貴族W.アレクサンダーにこの地を与えて〈ノバ・スコシア(新しいスコットランド)〉と称した。イギリスとフランスの抗争は,1713年のユトレヒト条約終止符が打たれたが,この地を領有することになったイギリス人は,フレンチ・インディアン戦争の勃発とともに,アカディア人がフランス人と結ぶことを恐れ,55年アカディア人を南方へ強制移住させた。この悲劇はアメリカの詩人ロングフェローの長詩《エバンジェリン》で有名である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカディア」の意味・わかりやすい解説

アカディア
Acadia

現カナダのノバスコシア州とニューブランズウィック州,およびアメリカ合衆国のメーン州あたりをさす呼称。アカジアとも表記される。 17~18世紀の北アメリカ大陸の覇権をめぐるイギリスとフランスの対立抗争の舞台であった。アカディアに植民地設立を試みたのはフランス人が最初で,失敗を重ねたのちにサンクロア河口のドチェット島 (現メーン州) に 1604年植民が行われた。しかし 13年,南方のイギリス植民地からの軍隊はアカディアのフランス植民地の中心地ポールロワイヤル (ポートロイアル) を陥れ,21年この地はスコットランド人の W.アレクサンダーに与えられ,ノバスコシア (新スコットランド) と改名された。以後イギリスとフランスの間を転々としたが,1713年のユトレヒト条約で現在のノバスコシアだけがイギリスに割譲された。 63年に北アメリカ大陸におけるフランスの敗北が決定的になると,全アカディアがイギリス領となった。主としてフランス系であったアカディア人は,1754年から始ったフレンチ・アンド・インディアン戦争の間,ニューフランスとの提携を恐れたイギリスにより南方の現アメリカ合衆国へ強制移住させられ,ロングフェローが『エバンジェリン』 Evangeline (1847) で歌った悲劇を生んだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカディア」の意味・わかりやすい解説

アカディア
あかでぃあ
Acadia

カナダ南東部、ノバ・スコシア州の旧名。17世紀初頭にフランス人が開拓したが、フレンチ・アンド・インディアン戦争の始まった1755年、フランス系住民アカディア人をイギリス人が追放した。以後イギリス人がこの地を支配するようになり、彼らの名称であるノバ・スコシア(故郷スコットランドのラテン名)が用いられるようになった。

[山下脩二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「アカディア」の解説

アカディア
Acadia

現在のカナダ東南部のノヴァスコシア州の旧称
1497年イタリア人S.カボットが発見。17世紀初めにフランス人が進出してアカディアと命名し,以後その領有をめぐってイギリス・フランス両国が再三争った。1713年ユトレヒト条約でイギリス領となり,七年戦争後,イギリスの優位が確定した。1867年カナダ連邦に編入された。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

デジタル大辞泉プラス 「アカディア」の解説

アカディア

アメリカのゼネラルモーターズがGMCのブランドで2006年から製造、販売している乗用車。5ドアの大型SUV。7、8人乗り。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「アカディア」の解説

アカディア

ノヴァスコシア

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android