ターリー(大理)市(読み)ターリー(英語表記)Dali

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ターリー(大理)市」の意味・わかりやすい解説

ターリー(大理)〔市〕
ターリー
Dali

中国西南地方,ユンナン (雲南) 省西部,ターリー (大理) パイ (白) 族自治州の市。行政中心地。アルハイ (洱海) 湖の西岸,ティエンツァン (点蒼) 山の東南麓にあり,ティエンミエン (滇緬) 道路とティエンツァン (滇蔵) 道路が分岐する。肥沃なターリー盆地の中心地として早くから開け,中国とビルマ (現ミャンマー) ,インドシナ,チベット (西蔵) との交易の要地としてもにぎわった。唐代の南詔国の地で,宋代には大理国の首都,明代,清代には大理府の府治であった。人民共和国成立後,一部がシヤコワン (下関) 市となって分離したが,その後シヤコワン市を統合してターリー市となった。農業が盛んで,米を中心に麦,ソラマメ,クルミ,ナシなどを産する。アルハイ湖では漁業も盛んで,コン (弓) 魚を特産する。地下資源としては鉛や水銀,オイルシェール,岩塩などがあり,製油工場や自動車組立て,製紙などの工場が立地している。市街は石畳街路で,石垣の家が多い。風光明美で,唐代の三塔寺のほか蝴蝶泉などの名所旧跡がある。人口 43万 2239 (1990) 。

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