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ソラマメ

栄養・生化学辞典の解説

ソラマメ

 [Vicia faba].マメ目マメ科ソラマメ属の食用にするマメの一種.

出典|朝倉書店栄養・生化学辞典について | 情報

百科事典マイペディアの解説

ソラマメ

西アジア原産といわれるマメ科の一〜二年生の野菜。古くから栽培されてきた。高さ40〜80cm,葉は羽状複葉で,春,葉腋に微紫色を帯びた蝶(ちょう)形花を開く。さやには3〜4個の種子があり,扁平で大きく,緑〜褐色。

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食の医学館の解説

ソラマメ

《栄養と働き》


 原産地は中央アジアから地中海沿岸で、わが国には10世紀ごろに伝わってきました。現在は約3割が中国で生産されており、わが国のおもな産地は鹿児島、千葉、茨城などです。
 さやが天に向かって直立するので「空豆」と名付けられました。豆の形が蚕(かいこ)の繭(まゆ)に似ているので、「蚕豆」とも書かれます。
〈ビタミンB群や食物繊維など、単品でもバランスがとりやすい〉
○栄養成分としての働き
 ソラマメは未熟な豆を野菜として用いるのが一般的で、たんぱく質、糖質、カロテン、ビタミンB1、B2、C、食物繊維などを含み、単品でも比較的栄養バランスがとりやすい食品です。
 とくにビタミンB群が豊富に含まれており、ビタミンB1は100g中0.30mg、ビタミンB2は0.20mgと、ほかの未熟豆にくらべて多い点が特徴です。
 ビタミンB1は糖質を分解して疲労物質を体に貯め込まないよう働く成分です。つまり、ソラマメは疲労感をやわらげてくれる食品といえます。ビタミンB2は動脈硬化の原因となる過酸化脂質(かさんかししつ)の生成を防いで、血管の若さを保つのに役立ちます。
 また、ソラマメの脂質には比較的レシチンが多いので、B2とともに働いて血中のコレステロールの酸化を防ぎます。
 ミネラルのなかではカリウムが豊富です。カリウムは体内に入ると余分な塩分と結びつき、体外に排出するのに役立つ成分です。この作用によって血圧を下げるので、高血圧の予防に適した食材といえます。加えて、カリウムは食物繊維との相乗効果で腎炎(じんえん)によるむくみを解消する働きもあります。
 たんぱく質は100g中10.9gと豊富なので、酒のつまみとして食べれば肝機能をまもり、悪酔いを防ぎます。

《調理のポイント》


 旬(しゅん)は4~6月。出はじめのものは皮がやわらかいので皮ごと食べるのがおすすめ。食物繊維がたっぷりとれ、便秘改善に効果的です。
 生のソラマメは鮮度の低下が早く、「おいしいのは3日だけ」ともいわれています。選ぶときは、さやの色が濃く、つやのいいものを選びましょう。乾燥に弱いので、使うまではさやの中に入れて保存します。調理するときは、加熱しすぎないよう注意します。
 むくみがひどいときは、3年以上乾燥させた古いソラマメを使います。ソラマメ5gを3カップの水で半量になるまで煎(せん)じ、1日3回にわけて、空腹時にあたためて飲むとよいとされています。

出典|小学館食の医学館について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ソラマメ
そらまめ / 蚕豆・空豆
[学]Vicia faba L.

マメ科の一年草。北部アフリカから西アジア原産で、豆を食用、また茎葉を飼料とするため栽培される。茎は断面が四角形の中空で直立し、高さ0.4~1メートル。葉は羽状複葉、葉柄の基部に茎をなかば抱く托葉(たくよう)がある。春に、葉の付け根から短い花茎を出し、5弁の蝶形花(ちょうけいか)を2~6花つける。花弁は白ないし淡紫色で、旗弁の黒色斑紋(はんもん)が目だつ。果実は豆果で、莢(さや)は直立し、空に向かうので空豆の字もあてている。大粒種var. major Harz.と小粒種var. minor Beck.とがあり、大粒種はアルジェリアを中心とする北部アフリカ地域、小粒種は西アジア、カスピ海南部地域の原産である。大粒種の莢は長さ10センチメートル、幅3センチメートルになり、種子は長さ2センチメートルほどで平たい。小粒種の莢は長さ4~5センチメートル、幅は約1センチメートル、種子は丸く径は1センチメートルほどである。1莢内には2~4個の種子があり、成熟すると莢は黒色になり、しわが寄り、大粒種ではやや下垂する。完熟種子は乾豆として利用される。未熟な種子は野菜として利用され、莢の背部が黒化し始めたころに収穫され、若いうちは莢のまま、晩期にはむき実として出荷される。
 普通は10月ころ播種(はしゅ)して翌年の4月から収穫するが、暖かい地方では9月に播種し、12月から収穫する早熟栽培がある。酸性土壌を嫌い連作に弱い。生産の多いのはインド、ブラジル、中国で、世界生産の5割を占めている。日本では四国、瀬戸内地方と福岡、熊本地方が多く、そのうち、野菜用未熟豆用の栽培は愛媛、香川県をはじめ暖地の諸県で多い。
 栽培の歴史は古く、古代ギリシア、エジプトで栽培された。日本へは聖武天皇(しょうむてんのう)の天平(てんぴょう)8年(736)に中国を経て伝えられた。日本での主要栽培品種はすべて大粒種で食用が主である。ヨーロッパでは完熟した種子を加工してスープなどに利用することもあるが、飼料としての栽培が盛んで、茎葉をトウモロコシやヒマワリなどとともにサイレージ(層積飼料)とする。アメリカでも近年、緑肥、飼料用の栽培が増えている。[星川清親]

食品

ソラマメの熟した種子は煮豆(お多福豆やふき豆)、フライビーンズ、甘納豆、餡(あん)などのほか、みそやしょうゆの原料とする。栄養成分は乾豆100グラム中、タンパク質26グラムを含むほか、糖質50.2グラム、脂質2グラム、カルシウム、リン、鉄などの無機物も多く含み、カロチンも多い。未熟豆は野菜として利用され、塩ゆでは季節の味覚として酒のつまみなどに賞味される。甘煮にして料理の付け合せに、またポタージュなどにもよい。発育のごく初期の若い莢はそのまま煮食される。[星川清親]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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