ノイバラ(野薔薇)(読み)ノイバラ(英語表記)Rosa multiflora

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノイバラ(野薔薇)」の意味・わかりやすい解説

ノイバラ(野薔薇)
ノイバラ
Rosa multiflora

バラ科の落葉小低木で,ノバラともいう。日本各地の山野に普通に生える。茎は高さ約 2m,枝は伸びて先は垂れ,鋭いとげがあってよく他物にまつわりつく。葉は1~4対の小葉から成る奇数羽状複葉で互生し,裏面に軟毛がある。葉の基部にある托葉は縁が櫛の歯のようになっている。春から夏に,枝先に円錐花序を出し,径約2~3cmの白色5弁の花をつける。花はときに淡紅色を帯びる。果実は球形の偽果で,赤く熟し,それを干したものを営実 (えいじつ) といい,漢方で下剤利尿剤に用いる。近縁種に花がやや大きく,小葉が深緑色で光沢のあるテリハノイバラ R. wichuraianaがある。いずれもじょうぶで繁殖もよいので,園芸品種のバラの接木 (つぎき) の台木としてよく用いられる。

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